2025.04.01 行政手続きの煩雑さ解消 デジタル庁がデータ基盤整備計画を今夏策定へ

出所:デジタル庁の「ベース・レジストリ推進有識者会合」

出所:デジタル庁の「ベース・レジストリ推進有識者会合」出所:デジタル庁の「ベース・レジストリ推進有識者会合」

 デジタル庁は今夏までに、政府や自治体がバラバラに管理していた法人の名称や所在地などの基本データを一元化した「公的基礎情報データベース」の整備計画を策定する。この計画に基づいて必要なシステム整備を促し、行政手続きの煩雑さを解消。一度入力した情報をさまざまな手続きに横断的に利用し、関係者の手間を大幅に削減できるようにする。

 公的基礎情報データベースは、各種の手続きに共通する項目を各行政機関が参照できるようにするデータ基盤。「ベース・レジストリ」とも呼ばれ、法人情報や不動産情報など多くの手続きで必要となる基本データを一元管理する。同庁はベース・レジストリを整えることで、申請者の利便性を高めるだけでなく、行政運営の効率化も狙う。

 そうした環境の実現に向けては、昨年の通常国会でデジタル社会形成基本法に関する一部改正法案が成立し、今月から施行。この中で行政機関などが保有するデータの品質確保を徹底するとともに、政府が公的基礎情報データベースの整備・改善計画を作成し必要な整備を進めるよう規定した。

 3月末には、整備・改善計画の具体化に向けて、「ベース・レジストリ推進有識者会合」を始動。初会合では、主にベース・レジストリをめぐるニーズを確かめた。計画の方向性については、推進期間や基本方針を示した上で、商業・法人登記関係や不動産登記関係などの各データベースの利用形態ごとに、「課題」「政策効果」「利用者」「利用スケジュール」について整理することを想定。同庁は「6月ごろに取りまとめることを目指す」としている。

証明書取得の手間を省ける

 同庁によると、ベース・レジストリを生かせる場面は幅広い。企業の社名や所在地などを変更する際には、所管する行政機関へ届け出ることが必要だ。事業の許認可を複数受けている場合には、登記だけではなく、許認可を定める法令に基づく変更手続きが求められる。例えば、飲食店を営む代表者が代わったり本店を移動したりすると、すべての店舗がそれぞれ所管の保健所に届け出る手間が生じる。ベース・レジストリが整備されると、こうした手続きを簡略化できるようになる。

 行政手続きで、申請者がその都度提出を求められるものが、会社設立時などに必要な「登記事項証明書」だ。行政機関がオンラインで必要な情報を確認できるようになれば、証明書を取得する手間を省くことができる。ベース・レジストリのうち、法人の登記情報を扱う「法人ベース・レジストリ」一つをとっても、手続きにかかるコストを削減する効果は大きい。同庁の公開資料によると、30年度には国民側で149.4億円、行政側で20.8億円のコスト削減が見込まれるという。