2023.01.12 【計測器総合特集】リゴルジャパン 馬 井博マーケティングマネージャー

馬 マネージャー

日本市場で拡販や認知度を高める

 リゴルは中国の新興電子計測器メーカー。1998年に創立後、急成長を続け、昨年4月には上海株式市場への上場を果たした。

 日本市場では2015年から展開しており、昨年5月にリゴルジャパンとして株式会社化した。

 日本市場を担当する馬井博マーケティングマネージャーは「低価格が強み」と自社製品について説明。12ビットのオシロスコープの場合、同スペックを備える競合品に比べて価格が3分の1以下の製品もある。

 中国・蘇州に自社工場を構え、数年前からトヨタ流の生産方式「カイゼン」を導入し効率化を実践している。オシロ向けチップセットも自社で開発・生産。部材不足に悩む企業が多い中、納期遅れについても比較的軽微な影響で済んだという。

 ハイエンドオシロ「DS70000」はファーウェイ向けに開発するなど中国大手メーカーとの結び付きも強い。

 米国による禁輸措置に伴い、中国政府の「国産振興」の方針を背景にした補助金給付などの後押しも経営にとって追い風となっている。リゴルの21年度売上高は前期から約60%増加した。

 日本での主なターゲットは大学などの教育機関だ。比較的低周波数帯域のオシロスコープなどは「数十台まとめて納入するケースが多い」(馬氏)という。産総研をはじめとした研究機関への納入実績もある。

 22年はリゴルにとって成長が加速した年となった。ウクライナ侵攻に対する欧米の制裁措置のため、ロシアから定価数百万円の高級機種の注文が同社に入るなど思わぬ余波もあった。自動車や産業関係も好調だった。

 中国、米国、欧州とともに日本は重要市場の位置付けだ。馬氏は今年から日本市場を専任で担当。事業拡大とセミナールーム整備のため、東京オフィスを昨年末に東京都豊島区に移転した。これまで首都圏が中心だった販売活動だが、増員して23年は名古屋、関西方面や北陸地区での拡販を強化していく。展示会やウェビナーで認知度を高め、ハイエンド品の普及を図る。

 「開発のスピードが特長」と語る馬氏。日本では22年度に前期比20%以上の売り上げ増加を目指す。