2023.01.13 【放送/機器総合特集】シンクレイヤ 山口正裕社長
山口 社長
ネットワークの高度化推進新技術開発拠点を設置へ
新型コロナウイルス感染症拡大に端を発するニューノーマル時代の到来は、世界的なサステナビリティーへの意識の高まりとも相まって、経済活動や人々の生活といった社会活動全体においてデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させている。
通信サービス業界では、それらの情勢を背景とした高速かつ大容量のインターネット接続サービスへのニーズが継続している。また、放送サービス業界においても4K・8K放送に加え、IP放送が浸透し始めていることから、通信設備の増強に対して引き続き投資されるものと考えている。
その中核となるのがFTTH化である。FTTHは急速に普及しているが、そのメリットは大容量化だけではない。
従来のHFCと比較し、伝送路で消費する電力が低いこともサステナビリティーを考慮する上では重要なポイントである。重要性の高いインフラであるが故に強靭(きょうじん)性も要求される。
当社ではこのようなネットワーク設備の高度化需要に応えるため、生産設備の増強や技術開発、デジタル投資などを積極的に推し進め、その一環として、新たな技術開発拠点である「SYNC Labo(シンク ラボ)」を、年内に完成させる予定だ。
これらにより、超高速/大容量の光ファイバーを核とした伝送システムや統合管理システムなどに限らず、有線・無線を問わず自社製ネットワーク機器のさらなる拡充、販路拡大、および生産性の向上を目指す。
現在、当社ブランドのXGS-PONと10G-EPONの製品群の拡充を進めているが、今年はさらに、WDM装置やコアネットワーク装置などの市場投入を目指し、対応できるネットワークソリューションの幅を拡大していく。
また、強靭性に関しても当社独自の冗長型FTTHネットワークアーキテクチャー「R-PON(Redundant-PON)」をもって事業者に訴求していく。
システムの高度化に伴い複雑化する運用管理面の課題に対しては、当社の優れた「統合管理システム」や開発中の「Wi-Fi ONT管理システム」などで業務の効率化や省力化を提案し、将来的な労働人口減少による人材確保難の課題解決策の一つとしてアピールしていく。
当社は昨年行ったSDGs(持続可能な開発目標)宣言に基づき、新しい技術の実用化で事業者の要望や消費者ニーズに応じた製品開発を推進し、質の高いソリューションの提供を通じてサステナブルな社会の実現に貢献する。