2023.01.17 【半導体/エレクトロニクス商社特集】コアスタッフ 戸澤正紀社長

戸澤 社長

新物流センター建設開始 海外拠点にも物流倉庫配備

 コアスタッフは、web販売と従来型の営業を組み合わせたハイブリッド営業を強みに、事業拡大を続けている。半導体・電子部品の旺盛な需要に陰りが見え始め、2023年前半の市況は停滞が予測される。足場固めの年と捉え、物流体制の強化や新サービスの準備を行い、需要の立ち上がりに備える。

 「22年は前半と後半で市況の違いが鮮明な年だった」と話すのは戸澤正紀社長。前半は需要も底堅く、半導体不足による緊急調達ニーズも継続していたが、8月を境に状況は一転。顧客の在庫が積み上がり、受注が低調になった。

 戸澤社長は「今まで好調だった市場は調整局面に入り、一部では投資抑制も出るだろう。23年の夏以降には在庫調整も進み、需要は立ち上がるのではないか。立ち上がりのタイミングを慎重に見極め、その間に体制強化などを進める」と話す。

 同社は昨年末、長野県佐久市で新物流センターの建設を開始した。新物流センターは地上4階建て、延べ床面積約1万5000平方メートルとなり、膨大な在庫を保有可能。24年7月の完工を予定する。

 海外拠点の体制強化も継続する。同社では海外5拠点(香港、深圳、米国、ドイツ、タイ)に22年から投資を行い、物流倉庫を配備した。中でもタイは1000平方メートルを超える倉庫を契約し、今春には稼働する。これにより、日本で提供している「余剰在庫削減サービス」をASEAN域内でも提供する。

 昨年末には台湾駐在員事務所を設立。同拠点は新規仕入れ先開拓を目的としており、取り扱い製品の拡充も積極的に進めていく。

 戸澤社長は「在庫が増え、困っている顧客は多い。それらの在庫を当社が買い取り、必要とする顧客に提案する。また、海外拠点に物流倉庫を備えて在庫保有できるため、製品1個購入が可能な『ひとつから』のサービスも迅速に配送することができる」と話す。

 23年度(24年3月期)は多様化する顧客ニーズに対応し、新サービス拡充に向けた準備も行う。「コロナ禍によるさまざまな混乱により、購買や物流業務の人員確保に悩む顧客は多い」(戸澤社長)とし、購買機能や物流業務のアウトソーシングをサービスメニューに加える考えだ。