2023.01.17 【半導体/エレクトロニクス商社特集】カナデン 本橋伸幸社長
本橋 社長
カナデンは、FAシステム、ビル設備、インフラ、情通・デバイス事業を柱に、国内のほか中国・東南アジアで展開する日系企業を中心に事業を広げている。2023年3月期上期は、前年同期比倍増の最終利益を上げた。
本橋伸幸社長は「パワー系を中心とした半導体・デバイスやFA機器の長納期化が継続しているが、製造業の設備投資需要が堅調で大幅増益を計上できた。23年は予想が難しいが、一部では取引先の調整局面が予想され、慎重に取り組む」と話す。
22年度は中期経営計画「ES・C2025」の2年目として「カナデンDX」に取組み、Webを活用したデジタルマーケティングの仕組みや営業支援システムの構築に取り組んできた。「製品サイト」では、EV用急速充電器の引き合いが増えるなど、新規商材を含めて成果が上がりつつある。
本橋社長は「23年は春から稼働するSAP社の最新基幹システムと営業支援システムの連携により、営業情報と在庫の状況などデータを活用して事業活動のスピードを上げる。今後はデジタルマーケティングとも連携する」と話す。
半導体・デバイス分野では、韓国や台湾をはじめとする海外商材の拡大に向けて、韓国・KECのパワーデバイスや小信号デバイスの取り組み体制を強化した。
加えて中国トップのリレーメーカーの製品など、徐々に扱いを拡大している。
FA分野では、VMS(ビデオマネジメントシステム)をベースに工場の設備機器やセンサー情報を集約したIoTプラットフォーム「フェイティス(FAtis)」の提供を始めた。
このプラットフォームは、データと画像を集約して管理することで、人工知能(AI)とも連動して事故やトラブルの原因究明と効果的な再発防止策を講じることが可能になる。
海外は中国、香港、シンガポール、タイ、ベトナムに現地法人を構えている。タイ、シンガポール、ベトナムの現地法人が連携し、インド市場も視野に置いた海外事業の拡大も進める。
タイはこれまでFAが主力だったが、半導体・デバイス専任者も配置した。