2023.01.17 ソニー・ホンダの注目の陰、日本の自動車大手の不在 米ラスベガスCES
ソニー・ホンダモビリティのブース
米ラスベガスで今月あった「CES2023」は、いまや世界最大級のモビリティーショーでもある。過去最大規模となる、全体の約1割に当たる約300社の自動車技術関連企業が出展。陸・空・海用のモビリティーにも焦点が当てられた。
EV関連で、特に開幕前から注目されていたのは、ソニー・ホンダモビリティ。プロトタイプが発表されたが、一般的な自動車の発表の際に注目されるスペックやデザインといった点より、「どういうソフトが今後搭載されるのか」「半導体大手のクアルコムとの連携で何を目指すのか」などに関心が集まった。
展示ブースの周りには常に人だかりができ、「あえてシンプルな外観にしたのか」「ソニーのEVにも近いのか」などと感想を交わし合いながら、座席を体験したりカメラに収めたりする姿が見られた。
海外メディアからの取材依頼も殺到していた水野泰秀会長兼CEOは電波新聞の取材に「乗る人に合わせてアップデートしていくモビリティーを目指す」と、いわばスマホのようにカスタマイズできるようにする製品を展望する。「ふつうなら、自動車をユーザーに届ければゴールだが、そうではなく、そこがスタートになる」。
欧米の大手がこぞって次世代モデルを打ち出した。それは消費者へのアピールもあるが、「EVはいわばスマホとそのソフト。さまざまな企業とのコラボで、進めていくもの」という共通認識から、パートナーを探す面が強い。
そうした中、今回はトヨタ自動車をはじめ、日本の大手メーカーは出展を見送った。日本勢は、「脱炭素の勝ち筋はまだ見えない」(大手)として、EVやハイブリッド、水素など複数の選択肢を想定しているところが多い。各社に埋もれないような出展が難しい、という事情があるようだ。
(18日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)