2023.02.08 【コネクター総合特集】コネクターメーカー各社にアンケート 電波新聞社まとめ
コネクターメーカー各社は、2023年もグローバルでの積極的な事業拡大を目指す。コネクター需要はやや不透明感も強いが、国内・全世界ともに前年比で1桁台の成長が見込まれる。各社は自動車や産業機器、携帯端末、各種インフラなどの成長分野への展開を強化し、23年度も成長の継続を目指す。研究開発費や設備投資計画も積極姿勢がみられている。電波新聞社がこのほど主要コネクターメーカー対象に実施したアンケート調査8回答20社)により、浮き彫りになった。
グローバル需要 最多が「10%未満の増」
コネクター需要予測
23年(1~12月)の「国内」および「全世界」のコネクター需要予測を聞いた。
国内需要では、回答17社中、5割弱の8社が「10%未満の増」と回答。次いで「前年並み」が23社となった。「2桁以上の増」と答えた企業は1社もみられず、「減」とした企業が合わせて5社に達した。
全体にやや慎重姿勢が見られているが、それでも半数近い企業は、成長の継続を予想している。
グローバル重要は、回答17社中、最も多かったのは「10%未満の増」とした9社で、「横ばい」が4社で続いた。
「減」とした企業は計3社だった。コネクターのグローバル需要は、22年秋口以降はやや鈍化しているが、23年も成長が期待されている。
23年度計画 「10%未満の増」がトップ
コネクター部品の売上高見込み・計画
各社のコネクター部門の売上高の22年度見込みと23年度計画を聞いた。
22年度見込みは、回答15社中、最も多かったのは「10~20%未満の増」の4社。全体では「2桁以上の増」とした企業が計7社と半数近くに達した。
23年度の売上高計画では、回答15社中、最も多かったのは「10%未満の増」とした6社。「2桁以上の増」と答えた企業も3社あったが、「減収」とした企業も3社みられている。
自動車電装品、産業機器の順
2023年の重点拡販分野(用途)
23年の各社の重点拡販分野を聞いた。トップの56ポイントを数えたのは、「自動車電装品」。2番目は「産業機器(含むFA)」が54ポイントで続いた。以下、「通信・放送インフラ関連」「医療機器/ヘルスケア」「携帯電話/スマートフォン」「ウエアラブル機器」などが上位となった。
このほか「OA機器」「タブレット端末」「アミューズメント機器」など多様な分野が挙げられている(集計方法=上位5分野を挙げてもらい、1位5ポイント~5位1ポイントで集計)。
「10~20%未満の増」と「前年並み」
23年度のコネクター部門の研究開発費計画
23年度のコネクター部門の研究開発費計画(22年度見込み比)を聞いた。
回答12社と母数は少ないが、最も多かったのは「10~20%未満の増」と「前年並み」の4社。「20%以上の増」とした企業もあり、全体では7割近い8社が「増額する」と答えている。
コネクター業界では、コロナ禍の20年以降も積極的な研究開発費を計上してきた企業が多い。
各社は23年も、新製品開発や生産技術開発などへの積極的な取り組みを推進する。
「前年並み」は5社、「増」も5社
23年度のコネクター部門の設備投資計画
23年度のコネクター部門の設備投資計画は、回答11社中、最も多かったのは「前年並み」の5社。
「増」とした企業は計5社で、「20%以上の増」とした企業も見られた。「減」としたのは1社にとどまった。
コネクター各社の設備投資は、10年代半ば以降、高水準が継続している。
20年度から21年度はコロナ禍を踏まえ、不要不急の投資を抑制する動きも一部見られたが、22年度は積極投資が実施され、23年度も積極投資が継続する見通し。
「国内生産強化」など最も多い
地政学リスクやBCPへの対応
地政学リスクやBCPなどを踏まえた社内体制の見直し強化などの取り組みについて聞いた。
回答15社で最も多かったのは「国内生産強化」と「Webを活用した営業・プロモーション強化」の9社。次いで、「生産拠点のグローバルでの分散化」が7社となった。
サプライチェーンの混乱や地産地消ニーズの強まりなどを背景に、22年以降、国内生産強化に向けた動きが表面化しつつある。同時に、Webを活用したプロモーションの需要性も高まっている。
「23年7月以降も続く」が7社
半導体不足や物流逼迫状況の見通し
半導体不足や物流逼迫(ひっぱく)状況の今後の見通しなどを聞いた。
「半導体をはじめとする部品不足状況はいつごろまで続くと考えているか」の質問では、回答16社で、「23年3月まで」と回答した企業は2社にとどまり、「23年7月以降も続く」とした企業が計7社を数えた。「24年4月以降も続く」と答えた企業もみられる。
「物流逼迫による混乱はいつ頃まで続くと考えているか」の質問では、回答が16社で、「23年3月まで」と回答した企業は4社にとどまり、「23年7月以降も続く」とした企業が計5社を数えた。
8割以上が「増」と回答 5社が2桁以上
自動車用コネクター販売計画
23年度の自動車用コネクターの販売計画(22年度見込み比)では、回答11社と母数は少ないが、8割割以上の企業が「増」と回答し、うち5社は「2桁以上の増」と答えた。車載用コネクター市場は、半導体不足が続いた中でも22年も比較堅調に推移し、23年度に向けても積極的な売り上げ拡大を計画する企業が多い。
最多が「10%未満の増」 「減」は2社にとどまる
産業機器/インフラ用コネクター販売計画
産業機器/インフラ用コネクターの23年度の販売計画(22年度見込み比)では、回答14社で最も多かったのは、「10%未満の増」とした6社。
全体では、「増」とした企業が計10社に達した。「減」とした企業は2社にとどまった。
世界的な自動化ニーズの高まりは、今後も産業機器の需要を増大させていく。
モノづくりの国内回帰の動きも、国内での設備需要を創出するものとして期待されている。
次世代自動車、ロボットと続く
2030年に向けた注力分野
「2030年に向けて注力していく分野」について聞いた。
回答16社で最も多かったのは「次世代自動車」の52ポイント。
2番目は「ロボット(産業用/非産業用)」の42ポイント。
以下、「次世代インフラ」「次世代携帯端末」「光エレクトロニクス」「カーボンニュートラル関連」の順となっている。
アンケート回答企業一覧
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