2023.02.16 デノンが15.4ch AVサラウンドアンプ「AVC-A1H」
15.4ch AVサラウンドアンプ「AVC-A1H」
デノンは、15.4ch AVサラウンドアンプ「AVC-A1H」を3月下旬に発売する。希望小売価格は99万円(税込み)。
AVC-A1Hは、これまでの最上位モデル「AVC-X8500HA」や、デノン創立110周年記念モデル「AVC-A110」をしのぐ15.4chでのイマーシブオーディオ再生に対応している。現代デノンAVアンプの最高峰にふさわしいクオリティーと、最大260Wの大出力を備えながら、一筐体(きょうたい)に15chものパワーアンプを搭載するという非常に困難な課題を達成するために、パワーアンプ回路をチャンネルごとに個別の基板に独立させたモノリス・コンストラクション構成を採用。チャンネル間のクロストーク、振動による音質への影響を排除することにより、チャンネルセパレーションを極限まで高め、純度の高いリアルな音場再生を実現している。
増幅素子にはHi-Fiアンプの設計思想を踏襲した大電流タイプのパワートランジスタ「Denon High Current Transistor (DHCT)」を採用。このDHCTをヒートシンク上に格子状にレイアウト、さらにヒーシンク全体をカバーする合計4ミリメートル厚の2枚の銅板によって放熱効率を高め、発熱が大きくなる大音量再生時であっても、安定性の高いスピーカー駆動を実現している。パワーアンプを2ch増やしながらも筐体サイズの拡大は奥行16ミリメートルに抑え、従来のモデルからの置き換えも容易に行うことができる。
アンバランス(RCA)と、バランス(XLR)のサブウーハープリアウトをそれぞれ4系統装備している。部屋の4隅にサブウーハーを設置して、各サブウーハーに周囲のスピーカーの低域成分を割り当てることにより、従来のホームシアターでは表現しきれなかった低音の移動感も映画館さながらに再現することができる。
また、バランスのサブウーハープリアウトには、フロントL/Rとセンターチャンネルの信号を割り当てることもでき、バランス入力を装備したパワーアンプにフロントL/Rや、センターチャンネルの音声を入力することができる。
ロスレスオーディオ、イマーシブオーディオの真価を引き出し、ダビングステージに迫るサウンドをホームシアターで再現すること。このデノンのAVアンプが目指す理想を具現化するために、上級機にのみ搭載される、「D.D.S.C.-HD32」、「AL32 Processing Multi Channel」、「クロック・ジッター・リデューサー」を搭載している。
全てのデノン製品の音質チューニングを手がけるサウンドマスター・山内慎一氏が音質担当エンジニアと共に、特に長い時間を費やしてパーツの品種や定数を検討し、プロトタイプによる入念な試聴を実施。幾度にも及ぶパーツの変更や再設計を経て、解像度や細部の情報量、リアルな音像、圧倒的なダイナミックレンジ、そして一切の制約を感じさせない空間表現力など、あらゆるファクターにおいてA1の名を冠するにふさわしいサウンドクオリティーへとまとめ上げた。
AVC-A1Hは、Dolby Atmos、DTS:X、MPEG-4 AACに加え、IMAX Enhanced、Auro-3D、およびMPEG-H 3D Audioに対応。15chのアンプを内蔵しているため、単体で6chのハイトスピーカーを含むサラウンドシステムを構築することができる。さらに、17chのスピーカーターミナルを装備しているため、8chのハイトスピーカーを接続して、再生する3Dオーディオフォーマットに合わせて自動的に切り替え、最適なスピーカーレイアウトで再生を行うことができる(最大6chの同時再生に対応)。プリアウトは17.4chを装備しており、プリアンプと内蔵アンプを切り離す「プリアンプモード」を使用すれば、内蔵アンプの動作の影響を受けない純度の高い音声信号を外部パワーアンプに出力することができる。プリアンプモードは、全チャンネルを一括で切り替えられるだけでなく、チャンネルごとに個別に設定することもできる。
HDMI 7入力/3出力の内7入力/2出力が、最大40Gbpsの8K/60ヘルツ、4K/120ヘルツ映像信号のパススルーに対応しているため、新4K8K衛星放送や動画配信サービス、最新ゲーム機の超高精細かつ滑らかな映像美を最上級のデノンサウンドとともに存分に楽しむことができる。もちろん、ただ単に8Kに対応しているだけではなく、明るさと色の表現力を高め、映像のリアリティーを向上させるHDR(ハイダイナミックレンジ)については、HDR10、Dolby Vision、HLGに加え、HDR10+やDynamic HDRにも対応。TVからのマルチチャンネルリニアPCM信号や、Dolby Atmos、DTS:Xなどのイマーシブオーディオ信号の入力を可能にするeARC、ゲーミング&VR体験を革新するALLM、VRR、QFTなどの最新機能もサポートし、ホームシアターにおける体験の質をかつてない高みへと引き上げる。
ネットワークオーディオのプラットフォーム「HEOS」を搭載しており、「Denon Homeシリーズ」のスマートスピーカーや、サウンドバーなどのHEOS Built-inデバイスをシステムに追加すればワイヤレス・マルチルーム環境を簡単に構築することができる。
音楽ストリーミングサービスは、ロスレスやハイレゾに対応するAmazon Music HDをはじめ、AWA、Spotify、SoundCloudに対応。また世界中のインターネットラジオ放送を楽しむこともできる。AirPlay 2にも対応しており、Apple Music※1やアプリの音声も高音質で楽しむことができる。
ブルートゥースについては、受信と送信の両方に対応しており、ブルートゥースヘッドホンなどでTVの音声や音楽を楽しむことができる。さらに、ローカルネットワーク上のミュージックサーバー(PC/Mac/NASなど)や、USBメモリーに保存したDSDファイル、ハイレゾ音源の再生にも対応している。
また、Amazon Alexaによる音声コントロールにも対応。Denon HomeやAmazon EchoなどのAlexaが利用可能なデバイスに話しかけるだけで再生、停止、スキップ、音量の調整などの基本的な操作に加えて、Amazon Musicの楽曲から曲名やアーティスト名、年代、ジャンルなどを指定して再生することができる。
インターネットラジオ局を音声で呼び出すこともできる。スマートフォン、タブレットでAVアンプの操作と設定ができる「Denon AVR Remote」や、スマートフォン、PCのWebブラウザで操作、設定が行える「ウェブコントロール機能」にも対応。Wi-Fiは2.4/5ギガヘルツのデュアルバンド、MIMOとIEEE 802.11 a/b/g/n/acに対応しており、高速かつ安定した通信が可能だ。
従来から高い評価を受けていた、直感的に操作できるセットアップメニューを刷新した。テキストや画像の表示解像度を上げ、テキストの読みやすさや画像の視認性を向上。デザインもより洗練され、現代的なものへと生まれ変わった。スピーカーの接続や設定、入力機器との接続、そしてネットワークの設定など、初期設定をテキストや画像、アニメーションで分かりやすくガイドする「セットアップアシスタント」機能もさらに分かりやすく進化しており、テレビ画面に表示される説明に沿って一つ一つ順を追って設定を進めるだけで、誰でも簡単にAVアンプの設定を行うことができる。