2023.02.28 【複合機&プリンターソリューション特集】 DXソリューション

各社は成功事例をパッケージとして提案する

複合機入り口に提案活発化

デジタル化を背景に市場広がる

 多様な働き方やデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進するソリューション提案が活発化。複合機を入り口に、クラウドサービスとの連携や紙の電子化をはじめとする業務改善などデジタル化を背景にした市場が広がっている。

 リコーは、エッジデバイスやデジタルサービスの活用により、DX、働き方改革を支援。複合機を「アナログとデジタルをつなぐエッジデバイス」と位置付け、紙文書の電子化と書類作成業務の効率化を提案する。

 共創プラットフォーム「エンパワーリング デジタル ワークプレイス(EDW)」を、複合機はじめデバイスと連携させ、データ管理、文書管理、紙の電子化などワークフロー全体の効率化を実現する多様なソリューションを訴求している。

 サイボウズとの協業で「RICOH kintone plus」の提供も開始した。中堅・中小企業向けの課題解決型サービス商品「スクラムシリーズ」の累計販売数は22年度上期に26万5000本を突破した。

 富士フイルムビジネスイノベーション(富士フイルムBI)は、国内外で累計800万ライセンス超の販売実績を誇るドキュメントハンドリング・ソフト「DocuWorks(ドキュワークス)」や、ドキュメント周辺のソリューション提案に力を入れている。

 新たに複合機「Apeos」との連携型クラウドサービス「Apeos Cloud Connector」を提供。複合機をポータルとして活用し、各種クラウドサービスとの連携を実現した。

 中堅・中小企業を支援するソリューション「Bridge DX Library」は現在、ラインアップを103種類に大幅拡充。製造業、建設業、医療機関、福祉サービス業など業種にフォーカスするとともに、業種共通ソリューションとして、電子帳簿保存法(電帳法)、インボイス制度に対応したソリューションを取りそろえている。

 キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)では、「顧客層ごとにニーズは異なる。それぞれのニーズに適した顧客階層別戦略を展開し、サービス型事業モデルによる付加価値サービスの提供」(同社)に注力。昨年12月、大手から中堅企業向けにデジタルドキュメントサービス「DigitalWork Accelerator(デジタルワークアクセラレータ)」の提供を始めた。

 同サービスでは、業種・業務に合わせたサービスをシリーズ化することで、DXを支援していく。第1弾として、電帳法などに対応してバックオフィス業務のプロセス変革を支援し、電子データの一元管理とデータの利活用を促進する「電子取引管理サービス」を提供。今後シリーズ化し、ラインアップを強化する戦略だ。

 コニカミノルタジャパンは、働き方改革など自社実践によるソリューションの提案を強化。「いいじかん設計」では生産性・創造性を高めることを支援する。また、「紙中心の仕事の見直し」などの成果を、ソリューションとして顧客に提案している。

 紙削減では「紙文書削減コンサルティング」「紙文書保管サービス」「機密文書抹消サービス」を提案。電子化では「紙文書電子化サービス」、文書管理や情報の利活用では「文書管理ルール策定コンサルティング」、業務の見直しでは「ペーパーレス化支援」などでサポートしていく。

 電帳法やインボイス制度に対しては、単に法令対応にとどまらず、業務の効率化など業務変革につながる提案に注力している。課題解決型ソリューション「サクセスパック」は現在、280種をそろえている。

 エプソン販売は、プリントやコピーの使用状況に合わせてプランや機器を選べる「スマートチャージ」に力を入れる。文教市場向けには「アカデミックプラン」で、教育現場のDX、生徒の学びの向上などの成果を上げている。消費電力削減、BCP(事業継続計画)の観点から医療現場への展開にも力を入れる。

 今月、オフィスのセンターマシンとなっているボリュームゾーンに、戦略機種を投入。優れた環境性能により〝環境価値〟で差別化を図る。環境コンサルティング会社のキャプラン(東京都港区)と協業。エプソンの「出力環境アセスメントサービス」とキャプランの「CO₂排出量可視化BPOサービス」を組み合わせ、顧客のCO₂排出量削減策の提案を行っている。

 東芝テックは、複合機のさらなる機能強化とクラウドストレージサービス「Collastorage(コラストレージ)」との連携で、使い勝手の一層の向上を図る。クラウド連携では、スキャンデータを複合機から直接クラウドにアップロード。クラウド上のデータを複合機の操作だけで印刷できる。セキュリティーでは、保存されたデータの暗号化、マルウエア対策、指紋認証などを強化している。

 2月から複合機本体のバージョンアップによる機能強化とともに、受信したファクスをデータ化した際に、発信番号ごとに振り分けて保存できるコラストレージとの連携機能を追加した。

 シャープは、スマートオフィスサービス「COCORO OFFICE」を拡充。文書や画像、動画などの各種データをクラウド上で管理・共有できる「COCORO OFFICE 共有フォルダー」サービスの提供をきょう28日にスタートする。

 ブラザー販売は、ブラザーグループの国内マーケティングを担う企業として「At your side.」を掲げ、顧客のDXを支援する製品の強化、ソリューション提案に注力していく。

 京セラドキュメントソリューションズは、電子化や情報共有など、アナログとデジタルを組み合わせたトータルドキュメントソリューションの提案を図っている。