2023.03.25 米での電池工場投資4倍規模へ 韓国LG系、EV需要高まり踏まえ
韓国LGエナジーソリューションは24日、米アリゾナ州の電池工場建設について、投資規模を当初発表の4倍の7兆2000億ウォン(約7200億円)に増やし、計画を進めると発表した。建設費高騰などで計画をいったん止めていたが、需要の高まりやインフレ抑制法での補助の動きも踏まえ、生産規模を増やして再起動させる。北米での電池製造工場の単一の投資としては最大規模という。
車載用の円筒型電池と、エネルギー貯蔵装置(ESS)向けパウチ型電池を生産する2棟(投資額各4兆ウォン、3兆2000億ウォン)を建設。2023年着工、それぞれ25年と26年の稼働見込み。同社は当初、同州での工場計画で1兆7000億ウォンを投じる方針を発表していた。それを大幅に引き上げる形になる。
「顧客との距離も近く、両方の分野でより緊密なパートナーシップを構築する」とする同社。車載向けは主に北米の EVメーカー向けに供給する。「インフレ削減法(IRA) でのEV優遇措置の条件を満たすため、現地で製造された高品質で高性能の電池に対し、EVメーカーからの需要が高まっている」という。
また、ESS用の製造施設は「バリューチェーンでの存在感を高め、北米のクリーンエネルギー移行をさらに促進する」としている。
新工場では、データを活用した最先端のスマートファクトリーシステムを採用。歩留まりの向上、製造プロセスの改善、生産性の向上を目指す。
韓国の電池大手では、北米で電池工場を建設する動きが相次ぐ。同社は稼働中のミシガン州の工場に加えて、米ゼネラル・モーターズやホンダ、欧ステランティスとの合弁工場も発表している。