2023.07.14 【電子部品技術総合特集】岡谷電機産業 水内賢二執行役員
水内 執行役員
成長分野で製品群拡充
省エネ・再エネ需要に対応
岡谷電機産業は、コンデンサーやサージなどを主力に手掛け、EMCを基軸に据える。成長分野での堅固な収益基盤となる製品群の拡充や、多様な分野における幅広い用途での実績を積み上げ、成長基盤を確立している。
成長・注力分野のうち、空調機器では省エネ性能の高い機器の需要に対応。産業機器では、自動化やDXなどのニーズを背景に拡大するFA関連の需要をつかむ。再エネでは、脱炭素で加速するエコ発電や蓄電市場に対応。車載関連では、急拡大するAGV(自動搬送車)やEV(電気自動車)などを取り込む狙いだ。
技術基盤の確立では、多様化する使用環境、高信頼性要求に応える製品開発力を強化。生産能力拡大ではIoT化の加速による生産ラインの高度化、生産管理・品質管理機能の強化を図る。
最近注力している一つが、ワイヤレス給電などで活用が見込める共振回路。AGV向けながら車載に近い品質が期待され、将来はEV向けも検討する。
またフィルムや蒸着関連分野との連携も進め、製品の向上を図っているが、蒸着の技術を確立し、将来は内製化率を上げていくことも視野に入れる。
ノイズフィルターでは、産機向けの箱型パワーライン用などを軸に、フィルムコンデンサーやコイルといった固有技術を駆使。特に高周波対応を強化して、医療機器や電波暗室向けなどに取り組んでいる。
新しい取り組みとして、アプリケーション技術グループを立ち上げ、顧客の企画開発、設計段階から入り込み、回路のあり方などの困り事への対応も目指す。
さらに、サージアブソーバーでセラミックパッケージのSMD対応へのシフトや、プロセス技術でモジュール化による高付加価値化戦略も進める。
コイルの鍵となる磁性体の研究開発に素材段階から注力する。長野県が呼び掛けるIoTネットワークへの参画など、産官学連携による研究開発にも一層力を入れる。