飯田通商の国内営業は、顧客や地域との密接な関係が強み。磯崎克也上席執行役員（国内営業支配人）は「市況回復はもう少し先」とみるが、そうした中で「お客さまとの関係構築の努力が奏功。コロナ禍で面談が難しい中、3年間の積極的な活動が今後、花開くとみる」と手応えを話す。

　主要な顧客には、ヒロセ電機の新製品、新技術を提案する販促ツールの機動性を生かし、より多くの技術者の方々に効果的訴求を行っている。

　グローバルサポート力強化では、昨年はリードタイム長期化や品不足の中、日系企業の海外生産移管後も内外部隊の連携強化で戦略在庫の有効活用により納期問題に貢献、「国際的にシームレスなフォローアップが評価され、信頼度が向上した」。既存先との信頼関係向上が横に広がり、新規口座獲得にもつながっている。

　ヒロセ電機製コネクターやローム製半導体、ニチコン、岡谷電機産業製受動部品などを核に回路ブロック図によるトータル提案も強み。顧客の課題に対し取引先の技術、商材などを網羅した幅広いネットワークでマッチングやコーディネートを通じ、ユニット化による効果的なソリューションを提案している。

　パワーデバイスではローム製を基にした熱対策最適化の提案が好評。取り扱いメーカーの製品と組み合わせ、設計工数削減や開発効率向上に貢献。「パワーデバイスは今のうちに多くのお客さまに根を張るべく、拡販部隊のローラーも展開中」。

　カメラを使ったソリューション提案も高評価。ソニーと連携、CMOSセンサーを中心とした武器により、メインに取り組む産機分野を軸に開拓を図る。回路部品に「目」（センシングデバイス）を加え、付加価値が高まる形。「単体だけでなくカメラ完成品、モジュール化まで協業メーカーと仕上げ、使いやすく、工数削減、開発効率向上に資する提案を進めている」。

　サプライヤーの数も品目も充実しており、「お客さまも幅広く、さまざまな分野とのネットワークが強み。課題解決提案を実践し、かゆい所に手の届く体制をさらに強化する」。