2023.07.27 【半導体/エレクトロニクス商社特集】サンワテクノス コト売り強化を継続 セグメント別戦略で横串の取り組みも
松尾 社長
サンワテクノスは、2030年度に向けた長期ビジョン「Sun-Wa Vision2030」を策定し、これを踏まえ22年度から第11次中期経営計画「SNS2024」(3カ年)をスタートした。22年度は円安効果や市場での半導体調達難を背景としたイレギュラーな受注増によるグローバルSCM事業押し上げもあり、計画を上回る大幅な増収増益となった。
6月27日付で同社の新社長に就任した松尾晶広社長は、今後の展望について「23年度は前年の反動が予想され、厳しくみている。現在はさまざまな所でモノが渋滞している。期待も含めて下期後半頃からの市場回復を考えているが中台関係などの懸念もある。ただ、その先では、電気自動車(EV)や再生可能エネルギー関係の投資拡大、人手不足解消のための自動化投資増加などが期待できる。分野別では、半導体不足の解消で自動車生産台数が増加傾向にあり、当社のビジネスにもプラスになっている」と話す。
今後の経営戦略は、「当社は74年の歴史があり、その間、顧客密着の活動に努めてきた。こうした縦のラインはさらに強化する。今後もコト売りの強化に努める。同時に中期計画で打ち出しているセグメント別戦略に沿って、横串の取り組みを強化する」(松尾社長)。
セグメント別戦略では、積極的リソース投入セグメントに「半導体製造装置」「マウンター/ロボット」「工作機械」、選択的リソース投入セグメントに「FA装置」「車載」「設備」を掲げる。「中計2年目に入り、着実に成果が出てきている。今後も人材を拡充しながら継続強化する。長期ビジョン実現に向け、今後は国内に加えて海外の優良企業に対する横串戦略も進める」(松尾社長)。
今年4月1日付で「イノベーション本部」を新設した。市場に向けて攻めの商品群を開拓し、海外の有力顧客開拓などにつなげる。ネットワーク拡充では、33番目の海外拠点としてインド現地法人新設を発表した。「海外拠点網の充実も当社の強み。今後も地域に根付きながら、セグメント戦略、そしてイノベーション本部が開拓する新商材も含め、海外拠点と連携して市場開拓を進める」(松尾社長)。