2023.08.09 【コネクター特集】クラレ 耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」の実績拡大
クラレは、耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」を事業化し、電気・電子分野のコネクター向けや、自動車関連(車載電装/自動車耐熱部品)を中心に実績を拡大している。
ジェネスタ(PA9T)は、同社が世界で初めて工業化したノナンジアミンを使用したポリアミド樹脂(PA9T)。耐熱性、低吸水性、耐薬品性など優れた特長を持つ。特長は①優れた耐熱性(融点306度と高く高温時物性に優れる。はんだ耐熱性270度)②低吸水性。以上により表面実装時のブリスター発生を防ぐ③優れた摺動(しょうどう)性④優れた成形性など。これらの特性が評価され、年々販売規模を拡大している。
用途別では、自動車のEV化が進む中で、EV向けの採用がグローバル各地域で増加している。特に、ジェネスタの耐熱性、低吸水性、高強度、加工性の高さといった特性が高く評価され、熱マネジメント関連をはじめ、高電圧部品、電子制御などの用途で採用が広がっている。
電気・電子用途では、ジェネスタの低吸水かつ高強度特性を強みに、4G/5G基地局用のDDRコネクター向けなどの販売に力を入れている。
今後も、車載、高速通信、産業機器などのメガトレンドに迅速に対応することで事業拡大を目指す。
ジェネスタ事業では世界10カ国・13拠点に販売や技術サービスの担当者を配置。国内ではCAE解析を行う「つくば研究センター」による顧客との協創を推進する。このほか、耐熱性をジェネスタよりもさらに高めたナイロン系樹脂の銘柄開発も進めている。
ジェネスタの生産体制拡充では、タイ新工場が完成し、23年2月より順次稼働を開始している。