2023.09.25 【九州・山口産業特集】エコファクトリー 雨水を無動力で純水に、「ecowinウォーター」発売

無動力で雨水を純水に変換する「ecowinウォーター」

村上 社長村上 社長

 エコファクトリー(熊本市中央区)は、雨水を無動力で純水に変換できる新製品「ecowinウォーター」を11月から販売する。清掃や冷却に雨水を使用することで節水・節電につながる。15日から全国展開に向けた販売代理店契約を開始。年内に25社の契約を目指す。

 同製品は「初期雨水分離槽」「貯留分離槽」「精密ろ過槽」「処理水タンク」で構成され、雨水に含まれる大気中のちりなどをろ過・分離して純水を生成し、タンクに貯蔵する(商標・国際特許出願済み)。

 ろ過・分離は雨水の位置エネルギーを利用するため、電源やコンセントなしで稼働できる。槽内部で発生する渦巻流による遠心分離と縦長形状による重力分離で、軽い不純物は上昇、重い不純物は底部に下降して外部に排出される。ろ過管表面に水流が触れることで目詰まりも防止する。

 処理水の濁度や硬度はそれぞれ水道法が定める基準値を下回る。電気伝導度も純水の定義である1mS/m以下で飲料水の水源としても利用できる。

 同製品で生成した純水は空調室外機に噴霧して冷却する「ecowinドライミストシステム」として訴求する。冷房運転のエネルギー効率を高める効果があり、電力消費を約10%削減できる。

 ドライミストシステムは、同社が体育館など避難所向けに訴求している「ecowin体育館外調輻射(ふくしゃ)空調システム」でも活用する。冷温水式輻射パネルと熱源チラーを活用して稼働する外気処理システム「ecowinエアー」で室温の維持と換気を両立。ドライミストシステムと組み合わせて、省エネ効果を高める。

 不純物が少ない純水は洗車にも最適で、「ecowinカーウォッシュ事業」も推進。同社商品の植物由来の洗浄剤「ecowinナノミスト」とセットで訴求する。

 販路拡大のため、代理店契約の初期費用200万円を、年内の加盟で140万円に値下げする。代理店の傘下となる加盟店の初期費用も100万円から70万円に引き下げる。

 同製品は、8月にオープンした新社屋「地球倫理体現館SDGsLABO」のショールームでも訴求。同社屋は軽量鉄骨造にCO2を固定化する次世代S造であるWOODsWALL工法(特許取得済)で建築している。村上尊由社長は「人類と地球の永続的な発展に貢献したい」と話した。