2023.12.28 キヤノンS&Sが介護ソリューションを提供 「IT DXシリーズ」を拡充し、安心・安全な施設環境を実現

 キヤノンシステムアンドサポート(キヤノンS&S)が、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する「まかせてIT DXシリーズ」を拡充する。これまで中小企業のセキュリティー、保守・運用、経営、人材にフォーカスしてきたが、来年2月から介護事業者を支援する「介護ソリューション」を提供開始し、業種ソリューションを強化する。

 同社は、キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)グループの中で、サービス、サポートを主体に全国158拠点で事業展開している。ITの計画から選定、導入、運用、保守、さらに教育までのトータルサポートを強みとしている。

 中小企業のDXを支援する、まかせてIT DXシリーズではこれまでセキュリティー分野の「安心パック」、サーバーやネットワークの運用を支援する「保守運用サービス」、コンサルティングの「経営支援サービス」、人材育成を支援する「経営支援サービス」を順次提供してきた。キヤノンMJグループのソフトサービスの売り上げにも大きく貢献している。

 同社では今後、まかせてIT DXシリーズを業種ソリューションとしてさらに拡充する。第1弾として、介護ソリューションを2024年2月から提供開始する。「介護・福祉事業者向けにICT活用による介護施設の業務効率化と施設利用者の満足度向上につながる質の高いサービス提供を支援」(介護ICTソリューション推進部)する。

 近年、高齢者の人口増加に伴い介護サービスの需要は急速に拡大。一方、重要性が増す介護・福祉業の介護職員不足が大きな課題となっている。厚生労働省では、23年度の介護職員の必要数は約233万人なのに対し、25年度には約243万人、40年度には約280万人の介護職員を確保する必要があると推計する。

 また、施設が質の高いケアサービスを提供するためには、多岐にわたる介護支援が不可欠。しかし、介護記録などでは手書きやメモからの転記による紙書類の作成や介護職員間での情報共有に多大なる時間と労力が費やされているため、介護職員の業務負担は非常に大きくなっているの現状だ。「慢性的な人材不足が深刻化しており、介護職員の業務負荷軽減への対策が喫緊の課題となっている」と同社では話す。

 介護ソリューションは、ITの計画策定から機器の選定、導入、教育、運用、保守までをワンストップで提供し、介護職員の業務負荷軽減を支援する。「介護・福祉事業者のコア業務である施設利用者と向き合う時間を創出し、安心・安全な施設環境の実現をサポートしていく」と同社。

 介護・福祉事業者の環境に合わせて、国や自治体が支援する補助金・助成金の活用や優先順位に応じた段階的な導入を提案。また、資本業務提携したケアコネクトジャパンの介護記録システム「CAREKARTE(ケアカルテ)」の活用で記録業務の効率化を実現するほか、見守りセンサーやネットワークカメラによる施設運用支援、障害支援などトータルでサポートする。