2024.01.11 ソニー・ホンダ 2トップの語る「AFEELA(アフィーラ)」の未来像
水野会長
ソニーグループとホンダが出資するソニー・ホンダモビリティの水野泰秀会長と川西泉社長が9日(現地時間)、米ラスベガスの「CES」会場で、電波新聞などインタビューに応えた。マイクロソフト(MS)との連携でのAI(人工知能)活用など「車の知能化」を進める中で、さらにオープンに携する考えを示した。また、開発関連のさまざまな提案も受けていることを明らかにした。
水野会長はMSとの提携について「ネット大手と組まざるをえない。餅は餅屋でもある。また、提携はオープンにやっていかないといけないので、ほかの企業も可能性がある」と指摘。
対話型AIのイメージは「天候やこれまでの音楽の好みなどに応じるといったエンタメもあれば、対話していくということもある。車の知能化が大事。人を認知してドアが開くといった中で、いろいろ覚えていく。だんだん車が考えてドアをあける。たとえば認識技術が広がって、買い物袋を持っていたら後部ドアが開く、といったことがありうる。幅を広げていく。パソコンやスマホと同じく、自分の色に染め上げて賢くなっていく」と解説した。
また「私は中国に10年いたが、昨年の上海モーターショーに、コロナの影響もあって3年ぶりに行き、進歩の大きさに驚き、ひっくり返りそうになった。速さとソフトの出し方にだ」と振り返った。
「EVには大きく①自動車OEMが作る②自動車の背景のない会社が作る③ハードとソフトのある会社が組む—の3種類があるが、そのうち③、つまりホンダとソニーやアリババと上海汽車のような組み合わせ、第3勢力が大きい。これで(ソフトの)技術をされると大きな脅威だ」と展望した。
また川西社長は、「人とモビリティーの再定義をしたい。ソフトウエア定義車(SDV)の考え方は、私からすれば真新しいものではない。(ソニーで)これまでやってきたこと。それをモビリティーに適用するとどうかという期待がある。モビリティーの変わっていく姿を見せていけたらと思う」と抱負を語った。
ナビゲーションの在り方について「たとえば地図情報にしても、街は変化するので追従していくのは大変だ。地図がなくても走れる環境を作らないといけない。人と同様に環境を認識しながら移動するようにできる必要がある」と提起。車載半導体について「SoCにしても1社で独占できることではない。自分で作ることも選択肢だが、いまはそのメリットは見いだしていない」とした。
(12日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です。動画でアフィーラの試乗やシミュレーターを紹介)