2024.01.16 【半導体/エレクトロニクス商社特集】エレクトロニクス商社 24年の経営戦略 カナデン 本橋伸幸社長
本橋 社長
事業部門を越えて総合力発揮
カナデンはFAシステムとビル設備、インフラ、情通・デバイスの4事業を柱に、国内のほか中国・東南アジアで日系企業向けを中心に事業を展開する。
「エレクトロニクスソリューションズ・カンパニー」を標榜し、Web活用のデジタルマーケティング、ソリューション技術本部・ソリューション営業部の体制拡充、海外新規商材の開拓推進、海外のデバイス販売強化など、さまざまな経営改革を進めている。
本橋伸幸社長は「営業活動がコロナ禍前に戻ってきた。半導体・デバイスではパワー半導体の供給不足や、メモリーの在庫調整などが続いているが、2024年前半には解消されると期待している。24年は23年を上回る業績を目指す」と話す。
Webを活用したデジタルマーケティングは、中期経営計画「ES・C2025」の戦略の一つとして21年度から本格的に取り組み、新規顧客の開拓など、成果が上がってきている。
22年度に新設したソリューション営業部を23年度から独立組織に改編し、事業部門横断の新規案件の獲得やクロスセルを推進する体制とした。本橋社長は「事業部門を越えて当社の総合力を発揮する営業体制の構築により、大手顧客などの多様化するニーズに応えたい」と話す。
半導体・デバイス分野では、韓国、台湾、中国メーカーを中心に海外商材を拡大している。韓国メーカーではKEC製パワーデバイスの拡販に注力しているほか、デジタルサイネージ用途でLG製モニターの納入実績も上がり始めている。台湾メーカーではRealtek製ICをはじめ、ネットワーク需要に対応した無線デバイス・モジュールの販売を伸ばしている。中国トップのリレーメーカーの製品も扱う。
海外製デバイスの売上比率は半導体・デバイス事業全体の約3割を占める。
本橋社長は「ASEAN地域の連携を一層強化すべく、新たな営業拠点も検討している」と述べている。