2024.01.16 【半導体/エレクトロニクス商社特集】半導体/エレクトロニクス商社 24年の経営戦略 ディジ インターナショナル 江川将峰代表取締役社長

江川 社長

無線やエッジ技術でさらに成長

 ディジ インターナショナルは、ZigBeeやWi-Fi、セルラーなど各種無線ネットワーク技術を駆使したIoTコネクティビティー製品およびサービスを提供するリーディングカンパニー。幅広い産業で無線技術やエッジコンピューティングの利活用が進む中、多種多様な新製品を提案し、さらなる成長を目指す。

 2023年度(23年9月期)のグローバルにおける売上高は4億4500万ドルとなり、過去最高を更新。日本法人も前年比十数%の伸びとなり、業績拡大に貢献した。

 日本法人の江川将峰代表取締役社長は「日本では工場やインフラなどでの投資が活発で、組み込みモジュール、コンソールサーバーなどが好調だった。22年度は部材不足による納期対応などで苦労したが、23年度は動きが良くなった。部材がそろわずに遅れていた新製品も23年度から順次投入。24年には量産出荷製品も出始め、本格的な立ち上がりに期待する」と話す。

 組み込みモジュールでは、STマイクロエレクトロニクスのMPU「STM32MP133C」を搭載したSOM「ConectCore MP13」を発表。Wi-Fi5およびブルートゥース5.2認証取得済みの業界最小クラスのSOMで、医療、スマートエナジー、インダストリアル用途に最適だ。

 NXPセミコンダクターズのアプリケーションプロセッサー「i・MX93」を搭載した「ConectCore 93」も昨年発売した。エッジAIなどハイエンドなアプリケーションにも最適で、24年初旬には量産出荷を予定している。上位モデルの「ConectCore 9」も24年のリリースを予定し、高精細グラフィックなどハイスペックニーズに対応する。

 デバイスサーバーも新製品を投入。「Connect EZ8/16/32」は公共、エネルギー、航空宇宙、FAなど幅広い産業のスマート化を実現する製品。近年、需要が高まるOTAによるファームウエアアップデートなどを可能にする。

 江川社長は「24年度は新製品ラッシュが続く。次世代製品の開発も進めており、積極的な提案を行う。24年度も2桁成長を目標とし、さらなる成長を目指す」と話す。