2024.01.18 【情報通信総合特集】ICTベンダートップに聞く 24年の見通し・経営戦略 OKI 前野蔵人執行役員技術責任者・技術本部長

技術革新で将来事業創出
エッジやAI技術など構築

 当社は、「中期経営計画2025」で、社会課題を解決する「社会の大丈夫をつくっていく。」企業を目指している。当社の強みである「リアルタイムな双方向処理」など、競争力の源泉である技術革新で将来事業の創出に取り組んでいく。

 環境に耐える高品質なモノづくりや、途切れることなく安定してつなぐ技術、実環境で性能を出す高速・高信頼のAI、社会インフラの可用性を高めるオペレーションが大きな強みだ。

 〝止まらない/止めない〟を実現する「タフネス」をベースにグローバルな技術革新を取り込み、現場に強いエッジの高度化とデータ活用拡大に取り組む。エッジでの技術、さまざまな現場から生み出されるデータを「エッジプラットフォーム」で融合、多様なエッジのコンポーネントとデータのコンビネーションを加速、お客さまの多様な課題にスピーディーに応える。

 AIの技術進化を取り込むことで、アナログ技術とプラットフォーム技術を強化。また、データマネジメントでデータを共有化し、リアルな現場のエッジデバイスを集中強化する。生成AIの技術進化を業務・事業全体へ取り込むため、GPT-4で社内活用環境を構築している。アナログ×AIで社会インフラの強みを磨き、プラットフォーム×AIで画期的な価値創出を目指している。

 データマネジメントでは、サービス・オペーレーション・SIビジネスでのデータアクセス力を強化、事業領域を超えたデータ共用とAI活用により、社会全体の強靱(きょうじん)化・高度化に貢献していく。

 コンポーネントの強化では、個別開発からの脱却、事業とともに育ててきた強いコンポーネントを共通化することで技術強化を集中させ、新商品の開発効率を高めていく。各事業セグメントで共通化を進めながら、次世代機の開発を加速させる。データの共用化も、データマネジメント機能を設置して共用を加速させる。

 インフラのリアルタイムセンシングとインフラデータの横断活用、コンポーネント共通化、リアルタイムインタラクション、高品位ネットワークの五つの注力領域のコンビネーションで、コア技術を先鋭化する。また、グローバルイノベーションでコア技術の強化と技術補完する。

 こうした取り組みで高度遠隔運用や物流領域、半導体接合技術(CFB)、ヘルスケア・医療領域など新規領域、業務特化型エッジプラットフォームなどの開発を進めていく。