2024.01.24 【ネプコンジャパン/オートモーティブワールド特集】期待が集まる世界の製造系展示会
多くの来場者でにぎわった「ネプコンアジア」
世界では今年も、さまざまな製造系展示会の開催が予定されている。コロナ禍を経てオンラインによる展示が進展したが、製造業の現場からは技術や装置が実見できるリアル展示への期待は少なくない。製造業の設備投資を促し、工場・工程の高度化を進める上でリアルな展示会が生み出す効果は無視できない。
ネプコン SMT中心の専門展示会
「ネプコン展」は、日本のほか中国やタイなどでも開催され、実装機関連各社は、重要なビジネスの場として積極的に出展している。
「ネプコンアジア」(中国・深圳)は「ネプコンチャイナ」(上海)と並ぶSMT(表面実装)を中心とした専門展示会で、毎年開催されている。2018年までは「ネプコンサウスチャイナ」として開催されていたが、実装機需要がアジア全域に広がっていることから名称を変更している。
ネプコンアジアは昨年10月に開かれた。中国の実装機市場は伸び悩んでいるが、同展示会は多くの来場者でにぎわい、出展した日系SMT主要各社も今後の需要回復に期待を高めた。
日系はFUJI、パナソニック コネクト、ヤマハ発動機、JUKI、ジャパンユニックスなどの主要企業が現地の販売会社や代理店を通じて出展し、高速実装機やデジタルマニュファクチャリングを実現する最先端のSMT設備を展示した。
FUJIは、次世代実装機、クリームはんだ印刷機、拡張型オールインワン装着機などの展示を通じて、進化するFSF(FUJIスマートファクトリー)を訴求した。
パナソニック コネクトは、市場の要望・供給の変化に即応して自律的に進化し続ける工場「Autonomous Factory(オートノマスファクトリー)」を実現する実装システムの新プラットフォームを中心に展示を行った。
ヤマハ発動機は、表面実装機、印刷機、ディスペンサー、検査装置など、実装設備のフルラインアップメーカーの強みを生かし「1 STOP SMART SOLUTION」を訴求した。
JUKIは、高速実装機、クリームはんだ印刷機、はんだ印刷検査機/基板外観検査機、自動倉庫(インテリジェントストレージ管理システム)、後工程マルチタスクプラットフォームなどを展示した。
今年のネプコンアジアは11月6~8日に中国・深圳で開催される。
プロダクトロニカ 世界的な総合見本市
製造装置系の世界的な見本市「プロダクトロニカ」、半導体・電子部品総合見本市「エレクトロニカ」は毎年交互にドイツ・ミュンヘンで開催されている(主催はメッセミュンヘン)。
23年はプロダクトロニカの開催年であり、11月に行われた。世界45の国・地域から約1400社が出展。会場では実装機、基板検査装置などSMT関連のほか、パワーエレクトロニクス、AI(人工知能)、センサー、半導体、ディスプレー、LED(発光ダイオード)、太陽光発電、マイクロエレクトロニクス、PCB回路、EMS(電子機器の受託製造サービス)、印刷エレクトロニクス、3Dプリンティング、環境技術などエレクトロニクス製造に関わる幅広い分野の生産設備、技術が展示された。会期4日間で約4万5000人が来場している。
日系企業はFUJI、パナソニック コネクト、ヤマハ発動機、JUKIの実装機4社が出展した。ジャパンユニックス、千住金属工業、日本アルミット、弘輝、タムラ製作所、サキコーポレーション、白光などのはんだ材料・はんだ付け装置、基板検査装置メーカーやSMC、アドバンテスト、浜松ホトニクス、サムコ、堀場製作所などの関連企業が展示ブースを構えた。
今年はエレクトロニカが11月12~15日に開かれる。前回の22年開催時は世界各地から2144社が出展。日本からは、村田製作所やTDK、京セラ、日本航空電子工業、太陽誘電、イリソ電子工業など多くの企業が出展している。
なお、プロダクトロニカとエレクトロニカはインドや中国でも同時開催されている。
セミコン 半導体製造の専門展示会
「セミコン」展はSEMI(国際半導体製造装置材料協会)が主催し、日本のほか米国、中国、韓国、台湾など世界各地で開催されている半導体製造装置を中心とした専門展示会。
昨年9月には台湾・台北で「セミコン台湾」が開催。「イノベーションを刺激する 持続可能性を強化する」をキーワードに先端ロジックデバイスやメモリー、パワー半導体、MEMS(微小電子機械システム)など、最先端の半導体製造技術が紹介された。最新技術トレンドとして①先進製造②異種接合③化合物半導体④自動車用チップ⑤スマート製造⑥革新的材料⑦半導体サイバーセキュリティー⑧サステナビリティー⑨人材育成⑩量子--をテーマに特別展示スペースが設けられた。
出展は過去最高の950社。日本からは、東京エレクトロンやディスコ、レーザーテック、東レエンジニアリング、大陽日酸、シンフォニアテクノロジー、パナソニック コネクトなど、多数の企業が出展した。
国内では「セミコンジャパン」が昨年12月に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれた。開催規模を拡大し、来場者は会期3日間で8万5282人。前回から約3万4000人増え、活況を呈した。今年は12月11~13日に東京ビッグサイトで開催される。