2024.02.08 年末のスマホ駆け込み、家電量販5社の業績押し上げ、23年4~12月期
暖冬で季節家電の動きは全体的に鈍かった
家電量販店大手5社の2024年3月期第3四半期(23年4~12月)連結決算が出そろい、全社ともに厳しさをにじませる内容となった。暖冬の影響による販売不振といった季節要因に加え、サービス消費へのシフトや、物価高からくる節約志向も家電の消費を鈍らせた。
4~12月で増収となったのはノジマと上新電機の2社。最終利益は全社減益と伸び悩んだ。巣ごもり需要の反動から家電業界が抜け切っておらず、全体的にテレビの販売が振るわなかったことなども影響した形だ。
一方、電気通信事業法に付随するガイドラインが昨年12月27日に改正・施行され、スマートフォンの端末値引きが制限されたことを受けた駆け込み需要が発生。スマホ販売が各社の業績を下支えした側面もあった。
ヤマダホールディングス(HD)は、店舗運営のデンキ事業全体で減収営業減益となる中、エアコン、冷蔵庫、洗濯機の大型家電で前年並みの売り上げを確保するとともに、携帯電話で2割以上販売を伸ばした。
ケーズホールディングス(HD)も携帯電話の販売が2桁以上伸びた。エアコンは前年並みを確保したものの、冷蔵庫と洗濯機は前年を割り込んだ。
増収減益となったノジマは、主力の家電店運営事業の売り上げが前年並みで推移した一方、スマホの駆け込み需要があったキャリアショップ運営事業が大幅増収を達成した。
エディオンも携帯端末の受注が12月に前年から4割増えるなど、スマホ販売が業績に寄与。4~10月まで前年割れの受注状況となっていたリフォームも11月以降前年伸長しており、足もとでは復調傾向にある。
最終利益がわずかに前年を下回った上新電機は、売り上げ、営業利益、経常利益ともに伸長。ネット通販の売り上げは減ったが、店頭販売が3.2%伸びて業績を後押しした。
(9日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)