2024.02.08 KDDI、養父市など スマートドローンの実証実験 物流問題に対応

スマートドローンの実証実験のもよう

 兵庫県養父市、エアロネクスト、セイノーホールディングス、KDDIスマートドローンは8日、市内の各所でドローン配送の実証実験を実施した。モバイル通信を用いた遠隔操作(目視外飛行)で、自律飛行制御を行い、2カ所のポイントに医薬品などを運ぶことに成功した。2024年の物流問題など地域課題の解決につなげる。

 今回の実証実験は同日4者間で締結された連携協定の取り組みの一環。ドローンを含む次世代高度技術の活動による地域課題の解決や新しい物流のビジネスモデルの構築を目的としている。今回は自律飛行を行うスマートドローンを活用した配送実験を実施。補助者・看板などの配置や一時停止が不要なレベル3.5飛行で、社会実装化を目指した形。

 実証では、医療品の配送デモを展開。ドローンデポを想定した市内にある関宮学園から5.1キロメートル離れた出合診療所に自律型のドローンが飛行。診療所で医療品を積載し、配送先の2.3キロメートル離れた轟地区に届け、再び診療所に戻ってくる飛行ルート。トータルの飛行距離は9.76キロメートル。飛行時間は約29分。

 ドローンは物流専用の「Air Truck」を採用した。エアロネクストの独自構造設計技術を活用し、KDDIのモバイル通信によって安定飛行を実現。山間部でありながら通信エリア寄りの飛行ルートを通り、安全輸送を心掛けた。

 デモではドローンが診療所の着地地点に着実に着陸し、離陸後も安定的に飛行。山間部の轟地区に医薬品を配送する時も、自動で荷物を着地地点に置くデモを行った。

 広瀬栄養父市長は「モバイル通信で安定した飛行ができていることを理解した。24年の物流問題では過疎地域での労働力の確保が難しくなる。ドローンを活用し、課題解決につなげたい」と語った。

 (後日、電波新聞/電波新聞デジタルで詳報を予定しています)