2024.02.13 ジャパンディスプレイが初の事業モデル IoTのハード・ソフトで健康サービス
披露されたリング
ジャパンディスプレイ(JDI)は、スマートリング向けの生体センサーや、センサーを搭載したスマートリングを開発し、企業・団体向けの健康見守りサービスを始めると発表した。世界で初めて、フレキシブル基板上に形成した有機光検出器(OPDセンサー)を活用するもの。ハードとともにソフトも手掛け、同社として初の事業モデルに取り組む。
高齢化が進む中、未病段階での健康改善に向けた行動変容を促すことが求められている。
同社のソリューションでは、スマートリングとスマートフォンアプリ、クラウドを連携させることで、心拍数や血中酸素ウェルネス、睡眠時間、歩数、消費カロリーなど、日常生活の健康管理に必要なライフログを自動的に取得することができる。併せて、OPDセンサーを採用したことで、スマートリングとして身に着ける際に重要となる装着感を向上させている。
日々の健康状態を把握できるだけでなく、保健師などの有資格者によるアドバイスや健康に関する情報を提供することで、利用者の健康意識の向上や行動変容のサポートする。こうした個人の健康管理上の気づきなどにつなげるのに加えて、大規模なデータを把握することで、企業が健康経営に役立てることなども想定している。
希望する企業・団体向けにトライアル利用を開始。5年後で100万人のアクティブユーザー獲得を目標にする。
●実証も
展開の皮切りとして、岡山大学や、あいおいニッセイ同和損害保険、ヴェルト(東京都渋谷区)、岡山県を拠点に交通事業などを展開する両備グループと協力。
ドライバーにスマートリングやスマートウオッチを装着してもらい、バイタルデータなどを取得。また、運転車両にあいおいニッセイ同和損保の貸与する通信機能付きデバイスを搭載し走行データを取得する。岡山大を中心として、これらのデータを分析することで、どのような健康状態や生活習慣が運転挙動に影響を与えるかを検証する。
岡山大は「広範なデータを分析できる」と意義を指摘する。まずは運輸業界から取り組む形だが、製造業や建設業をはじめ、さまざまな働く現場に導入し、24時間のシームレスな見守りにつなげることも期待できそうだ。(14日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)