2024.03.04 【電波時評】中波放送の試験停波の本質

 FM(超短波)放送への転換を見据えた実証実験のため、13の放送事業者が2月1日からAM(中波)34局の運用を順次、休止している。ネットストリーミングなどが広く普及した現在、年々苦しさを増すラジオ局の経営状態がFM転換を目指す主な理由とされる。

 しかし、この実証実験の目的を考えると、ある矛盾に気が付く。政府は将来の中波局廃止の前提条件として、廃止前の世帯・エリアカバー率が代替FM局でも維持できることとしている。この試験停波はそ...  (つづく)