2024.05.13 冷蔵庫と家具を融合 日立が試作機公開 カリモク家具と協業
ベッドサイドでは照明付き天板を設置したチールを提案
日立グローバルライフソリューションズがカリモク家具(愛知県東浦町)と協業し、2022年に発売した新コンセプトの冷蔵庫「Chiiil(チール)」と家具とを融合した試作機(プロトタイプ)を公開した。試作機は家電と家具の融合をデザインの起点とし、生活空間により溶け込むよう具体的な利用シーンをイメージして企画開発した。今後、市場の声を取り入れ、新コンセプトの製品としての実用化を目指す。
チールはキッチン以外の様々な空間に設置することを想定した73リットルの小型冷蔵庫。冷蔵庫を好きな場所で使うという考えの基、家具のような雰囲気でインテリアとの融合を目指した10色のカラーで展開している。発売から2年経ち、今回、本格的な木製家具との融合に踏み切った。
開発した試作機「Moderate(モデレート)」は、木製家具大手のカリモク家具と協業し、木製インテリア家具の知見と技術を組み合わせ企画・製作。リビングやベッドサイド、ダイニング、趣味部屋など6つの暮らしのシーンをイメージして試作機を用意した。
武藤圭史ホームソリューション事業部プロダクトイノベーション推進本部担当本部長は「家電の枠を超えた新しい家電の在り方を提案していきたい」と話す。
ベッドサイドのシーンでは、木製天板に夜間照明をつけ、ホテルのようなイメージを実現。ダイニングに横置きで設置するパターンでは、横置きした2台のチールの上に1枚の木製天板を組み合わせることで一体感のある家具調冷蔵庫に仕立てた。リビングシーンでは、チールの横に、同じデザインコンセプトの収納棚をカリモクが新規開発し組み合わせた。
モデレートは市場の生の声を聞きながら製品化に向けて検討をしていく。11日から18日まで都内の「カリモクコモンズトウキョウ」でコンセプト展覧会を開いており、来場者の声を製品の改良につなげていく考えだ。
具体的な製品の方向性や販売形態は未定だが、新たな家電としての展開を目指す計画。カリモク家具事業開発部の伊串直恭部長は「家電との融合は初の試みだが、木という素材が見直されているため、ぜひよいものを作っていきたい」と話している。
(14日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)