2024.05.21 「客引き行為は禁止です」 人数検知でAIが注意 兵庫県とTOAが実証実験
AI防犯カメラの設置場所を確認する関係者
TOAが兵庫県と連携し、人工知能(AI)を搭載した防犯カメラとスピーカーを活用した客引き防止対策の実証実験を三宮北部地域で20日から開始した。滞在人数が一定以上になるとAI防犯カメラが客引き行為の禁止を訴える。6月19日までの実証実験を通し、有効性を検証する。
県では、三宮北部地域の地上部分を客引きや勧誘、客待ちなどの行為の禁止地区に2015年10月から指定している。カメラ設置場所はサンキタ通り三宮阪急前商店街、生田新道の2カ所。システムはAI防犯カメラとスピーカーで構成し、通常は併設したスピーカーから通行者に客引き行為への注意を促す音源を放送する。さらに、撮影範囲内の滞在人数をAIがカウントし、一定以上になると客引き行為の禁止を訴える音源も放送する仕組みだ。
カメラ映像は事務所のパソコン(PC)や指導員が所持するスマートフォンで確認できる。マイク放送や巡視先からの音源再生を行うことも可能だ。滞在人数の推移をグラフ・データ化し、放送後の客引きや通行者の行動変容の分析にも活用する。
今回の実証実験開始に合わせて、サンキタ広場(神戸市中央区)で設置セレモニーを実施。兵庫県の齋藤元彦知事は「コロナ禍が明けてからは客引き行為が増加傾向にある」と指摘。「新たな視点による取り組みも重要。県内に本社を有するTOAと連携し実証実験を進め、安心して繁華街で楽しんでもらえる環境を作りたい」と語った。
TOAの谷口方啓社長は「AI防犯カメラは電柱への設置を想定し、犯罪が起きた時の証拠映像として捜査における重要な役割を果たす」と強調。「1カ月間(の実証実験)で課題が出てくるだろうが、得られた知見をブラッシュアップし尽力したい」と述べた。
(後日電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)