2024.06.12 【JISSO PROTEC/JPCA Show特集】実装機関連の市場動向 スマートファクトリー実現へ無人化や全自動化進む
スマート化への関心はさらに高まる
製造現場は高精度で高品質な製品を低コスト・短納期で市場に届けることが要求され、デジタル革新が加速している。SMT業界もデジタル化が一層進み、無人化や全自動化を目指すスマートファクトリーの実現に向かっている。
現在の実装機はプリント基板に電子部品や半導体を搭載するだけの装置ではない。実装ライン全体をスマート化するプラットフォームの中核へと進化している。IoT技術を活用し、プリント基板のはんだ印刷から、実装後のはんだ付け、検査まで工程を一元的に情報管理することで、SMTラインの生産性は向上している。
実装部品の保管・供給、実装後の手作業による大型部品などの搭載までをSMTラインに組み入れて、トータルで自動化する動きも業界では一般的になってきた。
機器間でネットワークを介して通信を行うM2M(マシンツーマシン)技術、測定値の解析を行うセンシングなど、さまざまな技術革新が現場のスマート化を支えている。デジタルツイン、人工知能(AI)、セキュリティーなどのソフトウエア機能の重要性は今後さらに高まる。
SMTと半導体後工程の融合も始まっており、実装機各社は本格的な事業化を進めている。半導体メーカーのボンディング・パッケージング技術の開発と多様化、多様なプロセスで製造された半導体デバイスと電子部品の混載など実装プロセスの進化が見られる。
日本の実装機の搭載速度・精度は世界的に高いレベルにあり、SMTの世界市場では日本勢が高いシェアを確保している。通信、IoT、電気自動車(EV)など技術が進展していく中で、日本のSMT関連企業が果たす役割はますます重要になる。