2024.07.09 【家電総合特集】後半戦の取り組み 東芝ライフスタイル 白戸健嗣社長

主力6製品を軸に製品展開

故障・修理対応など アフターサービス強化

 2024年1~6月は、新型コロナウイルス禍が明けたこともあり国内白物家電市場全体は伸び悩んだ。半面でエアコンは4月から暑い日が続いたことや早期提案などの成果もあり伸びたほか、ドラム式洗濯乾燥機やレンジ、炊飯器などが堅調に推移した。当社はエアコン、冷蔵庫、洗濯機、オーブンレンジ、炊飯器、掃除機の主力6製品を訴求しているが、大型家電を中心に市場全体を上回った。

 冷蔵庫は省エネモデルを中心に、野菜室を中央に配置した独自の「野菜室まんなか」と使い勝手の良さを訴求し好調に推移したほか、お客さまの声を反映して発売した冷凍庫も好評だった。洗濯機はドラム式洗濯乾燥機の人気が高く、より良い製品を求める傾向が強まっている。

 国内シェアの高いオーブンレンジは、最上位機から単機能モデルまでフルラインアップでそろえ幅広い需要に応えた。ジャー炊飯器は炊き上がりのこだわりや掃除のしやすさが評価されている。当社製品が堅調に推移したのは、お客さまが求める機能や価値に対し納得感のある価格で提供できたことも大きい。

 白物専業メーカーとしてお客さまの声に耳を傾け、メリットのある製品を出していきたいと考えている。製品の機能と価値と価格とのバランスが取れ、お客さまが納得する製品開発を目指したい。

 今年後半は前半と同様に円安が続くとみられ、市場環境は大きく変わらないだろう。引き続き市場の動きを注視しながら提案活動をしていく。その中で主力6製品を軸にした製品展開を図っていくとともにアフターサービスを強化。故障対応などのコールセンターの体制強化と、全国で修理対応するフィールドエンジニアの拡充と最適配置に取り組む。

 これまで夏場のエアコン修理などでは長く待たせてしまうことがあったが、今後はお客さまの電話から3日以内に修理対応ができるようにしていきたい。「また東芝の家電を買いたい」と思ってもらえるようにするには製品の性能だけでなく購入後にも満足してもらえるサービス対応は重要だと考えている。

 これからは当社の展開する白物家電を単品ではなく、製品群として使ってもらうことでメリットを出せるようにしていきたい。既に主要製品はインターネットにつながるIoT家電になってきているため、機器同士がつながる機能の開発なども検討していきたい。

 中国マイディアグループ(美的集団)との連携も強化する。マイディアの幅広い製品力と当社が培ってきた日本市場に合わせた開発技術力を組み合わせることで、コスト競争力のある付加価値の高い製品展開もできると考えている。