コンサルサービス好調

OTセキュリティーも強化

　国内ICT市場は、DX（デジタルトランスフォーメーション）を中心とした活発な投資を背景に堅調に推移している。クラウドサービス、アプリケーションの更新やセキュリティーに対するニーズが旺盛だ。特にセキュリティーへの投資が増えている。昨今の頻繁なサイバー攻撃の例もあり、従来の保険としてのセキュリティーの考え方から、経営上必要不可欠な対策としての認識が高まっている。また、生成AI（人工知能）も業務での活用が本格化する見通しだ。

　当社の2023年度の業績は、良好な市場環境もあり、増収増益で推移した。24年度上期も増収増益基調を維持し、通年度でも計画達成を見込んでいる。

　特にセキュリティー関連が好調だ。サイバー攻撃に対するお客さまの危機意識は非常に強く、ネットワークの高度化などに積極的に取り組んでいる。複数の拠点をソフトウエアで制御するSD-WAN、ゼロトラストに対応したSASE（サッシー）、ネットワーク全体の振る舞いを分析し、既知だけでなく未知の脅威もリアルタイムに検知できるNDR（ネットワーク・ディテクション・アンド・レスポンス）の導入および運用を一貫して提供するサービス「マネージドNDRサービス」などに注力している。また、MINDサイバーフュージョンセンターのさらなる高度化にも取り組んでいる。

　ITセキュリティーに加え、OTセキュリティーを強化している。工場の中のデータの流れを監視し、適切に対応するOTセキュリティー領域は、当社の強みを発揮できる分野でもある。メニューを充実させ、三菱電機と連携して三菱電機以外のお客さまに対しても積極的に提案していく。

　「ITインフラコンサルティングサービス」も好調だ。経営環境の変化に対応できるITインフラのニーズに応え、次世代ITインフラ実現をするコンサルから構築、保守までトータルで支援するサービスとして本格的に取り組みを開始したが、商談が着実に増えている。

　24年度下期のICT市場環境は、DXのさらなる進展、クラウドサービス、ネットワーク更新需要、セキュリティー需要は活発に推移するとみている。クラウドサービスのメニューの強化、ネットワークなどの可視化サービスをはじめ、お客さまの課題に応えていく。また、AI分野も三菱電機グループと連携して強化していく。

　三菱電機は「循環型 デジタル・エンジニアリング企業」として、デジタル基盤「セレンディ」を掲げている。当社は、ICTを支える役割を担っている。こうした取り組みで培った技術、知見を一般のお客さまにも提供していきたい。