2024.09.03 【スイッチ特集】オータックス 松久から事業を継承 DPSシリーズなどDIPスイッチ拡充

DPSシリーズ

 オータックスは、1976年創業の産業用スイッチメーカー。DIP(デュアル・インライン・パッケージ)スイッチにおいては、生産能力の向上を図っており、月産1800万個を超えるトップ水準の生産量で業界をリードし、「DIPスイッチのオータックス」としての評価を確立している。

 DIPスイッチの操作方式では、スライド、ピアノ、ロータリーの各方式、またフルピッチ、ハーフピッチ、シングルラインタイプのSIPスイッチなど、1500品種以上の豊富な品種を誇っている。

 同社は、DIPスイッチの製品リニューアルを積極的に進めている。ロータリーDIPスイッチでは、従来製品の「KUシリーズ」の後継に当たる「KZシリーズ」を2020年から販売開始しており、販売実績を上げている。

 ピアノタイプのDIPスイッチでは、リニューアル商品「KPZシリーズ」を開発中で、今年秋に販売を開始する予定。寸法は従来の「KSPシリーズ」と同等ながら、「耐久性、操作性の向上」および「自動化量産対応に向け部品形状・構成の再検討による品質向上」を狙っている。

 さらに、同社はスイッチメーカーの松久(東京都葛飾区)から事業継承をしたDIPスイッチの販売も開始した。その中で、「DPSシリーズ」は、防水のための樹脂ポッティングに対応できる高背のピアノタイプとなっている。

 操作用スイッチについても製品リニューアルを順次進めており、スナップインロッカースイッチ「Vシリーズ」の後継機種として、「VZシリーズ」の販売を開始した。従来のVシリーズと寸法は同等ながら、ON-OFF時の操作感触が良好で、防じん性能を有したスイッチを実現した。

 また、佐鳥電機から事業継承した電動工具用のトリガースイッチの販売も開始している。

 同社は、リニューアル、事業継承で品ぞろえを拡充し、QCDを向上しながら一層の顧客満足度向上を目指している。

 また、カーボンニュートラルの実現に向けて、今後、直流化社会に変化していくと認識している。その中で、高圧直流を開閉できるスイッチ、コンセントの試作品が完成し、市場導入に向けた活動を推進する。