2024.09.20 【電子部品メーカー/商社 ASEAN特集】おおとりタイランド 岡本無線電機 車載、エアコンの取り組みに力

青石ディレクター

 岡本無線電機は、自動車、医療、環境、ロボットの4分野への活動を国内外で強化している。ASEAN拠点の一つ「おおとりタイランド」(青石和也ディレクター)では、車向け需要を獲得。そのほか、空調機器向け、産業機械向けなどにも力を入れ、人材強化、ローカル企業の開拓などを進める。

 おおとりタイランドは2004年4月に拠点を開設し今年で20年を超えた。スタッフは現在、日本人セールス2人を含め、13人体制。空調機器向けの取引が約半数を占め、産業機械向けが約3割。自動車向けなども1割以上を占め、ウエートが高まっている。

 23年4月から24年3月までの実績は、前年同期比微減。上期は好調だったものの、下期は取引先の在庫調整などの影響を受けた。24年4~8月の状況も在庫調整の影響を受けているものの、10月以降に受注が回復する見込み。「空調機器向け、産業機械向けの受注に明るさが見える」と青石ディレクター。

 同社では、今期の重点取り組みとして①車載、エアコン市場への取り組み強化②現地サプライヤーとの協力関係強化③加工ビジネスの営業強化-を推進している。車載、エアコン市場に向けては顧客の困り事をヒアリングし、解決につながる提案を実施。サービス品質の向上を目指す。現地サプライヤーとは顧客情報の共有や同行訪問の強化で、ローカル企業を含めた現地商談を拡大。加工ビジネスではローカル人材の強化を図る。

 人材育成では、月に1度、メーカーの基礎勉強会に参加することで知識を高めている。また、展示会での調査など新たな成長の柱となる顧客発掘のため、ASEAN拠点間での情報共有を行い、効率的な手法を推進。「これらの取り組みはワーキンググループとして3年ほど行っているが、成果が出始めている」(青石ディレクター)。

 自動車、医療など成長4分野への取り組みは、日本と連携し、顧客情報、取り組み手法、提案商材などを共有化し、ビジネス拡大につなげる。

 青石ディレクターは「成長4分野では自動車だけでなく、環境、医療、ロボットなどでもよい提案ができるように人材強化に努め、グループの商材を活用して推進したい」と語った。