2024.10.24 【次世代自動車用部品特集】日本シイエムケイ ミリ波モジュール用基板など開発

ミリ波モジュール用基板

 日本シイエムケイは、進化する自動車のCASEニーズに対応する製品の開発、量産化を加速させている。

 車のxEV化で、駆動ユニットはeAxleに進化し、ADASは完全自動運転への深化が進む。その変革に伴い、車載ECUはドメインコントロール型統合、さらにはゾーン統合型へと形を変え、各種ECUが機能統合されていく。このトレンドに対し、同社の強みである多彩な車載回路基板のラインアップが市場要求に適合し、多層・多段ビルドアップ、微細化・高精細回路、低損失・高周波特性基材、高放熱・高耐熱基板などの複合技術が統合ECU実現に寄与している。

 同社は、車載ニーズを捉えた高機能のプリント配線板として、ミリ波モジュールやADASカメラ、車載高速通信機器、高出力デバイスモジュールなど付加価値の高い製品を展開。ミリ波モジュール用基板では、アンテナ部と制御の機能を一体化した製品がいよいよ普及期を迎え、技術は進化を続ける。高周波特性を実現するLowDk&Dfの高機能材料と制御部を担う汎用(はんよう)材を組み合わせたHDI構造を特徴とし、アンテナ部には高精度な矩形(くけい)回路形成が可能なMSAP工法を採用。今後も高周波特性を持つ材料を生かした基板開発に力を注ぐ。

 車載用の次世代プリント配線板開発では、駆動電装ユニットの高出力化に伴い100A超の大電流用途に対応する厚銅回路基板、大電流バスバー回路と制御用微細回路を同一層内に配置した異種導体厚混在基板、ヒートシンク機能を基板表面に取り込むHSP塗布基板、高熱伝導樹脂をVIA内に充塡(じゅうてん)する高放熱スルーホール基板など、多様な放熱技術をラインアップ。高出力デバイスの熱問題へのソリューションを提供する。

 eVTOL(空飛ぶクルマ)向けの製品開発も進めている。同社は航空・宇宙分野への参入を推進し、昨年、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙部品認定を取得した。長年培ってきた車載品質を携え、これら成長分野へ新製品を提案していく。