2024.10.30 京セラ、4~9月連結は円安の影響で増収減益

 京セラの2025年3月期第2四半期(24年4~9月)連結決算は増収減益。売上高は電子部品、ソリューションのセグメントが円安の影響もあり増収。利益は部品の受注低迷に伴う生産設備の稼働率低下などで減少した。

 コアコンポーネントの売り上げは横ばい。半導体製造装置向けファインセラミック部品などが増加。利益は有機基板の売り上げ減少などで減少した。今後は有機パッケージ事業の収益性の改善を図るほか、次世代ハイエンドFCBGA向けの技術開発を進める。

 電子部品は増収減益。情報通信、産業機器市場向けコンデンサーなどが円安効果もあり増収。利益はKAVXの新工場の稼働率低迷に伴う原価率の上昇などで減少。KAVXグループの事業立て直しを図り、MLCC、タンタルコンデンサー事業の強化を図る。

 ソリューションは増収増益。ドキュメントソリューション事業が増収となったことに加え、円安効果もあり、レポーティングセグメント全体で売上高、利益が伸びた。今後は高成長、高収益に向けた事業別の施策を実行。ドキュメントソリューションのリソースを最大限活用した事業間のさらなる融合を図る。

 通期連結業績予想は前回発表した数値を修正。売上高、利益ともに下方修正する。また、KDDI株式の売却を実施する方針に変更することも公表。両社の事業状況も大きく変化していることから、今後5年間で保有株数の3分の1程度を売却する。谷本秀夫社長は「3分の1で5000億円の資金を得ることになる。有機基板などへの投資とする」と話した。