関西デジタル・マンス実行委員会主催の「KANSAI DX AWARD 2024」の表彰式が31日、大阪市内で行われ、インテリア事業者コマツと同志社大学の共同の取り組みが最高位のグランプリに選ばれた。

　同実行委員会は関西経済連合会、関西広域連合、近畿総合通信局、近畿経済産業局などで構成され、関西をDX（デジタルトランスフォーメーション）の先進地にするのが目的。毎年10月を「デジタル・マンス」に制定して、関連イベントを開いている。DXアワードはその締めくくり行事。

　慶応大学医学部の宮田裕章教授がアワードの審査委員長を務め、今回はビデオメッセージで閉会の辞を寄せた。

　恒例のアワード表彰式で総合的に最も高い評価のグランプリに選ばれたのはインテリア設計業コマツ（大阪府東大阪市）と同志社大学。双方はAI(人工知能)を導入して共同で壁紙識別アプリ「かべぴた」を開発、膨大なサンプル帳の取り扱いや識別作業時間、かさ張るサンプル帳の扱いなど煩雑な作業を担当する社員営業職一人あたり月平均約9時間の労働時間削減に貢献しているという。

　次いで金賞の大企業部門ではAI運行管理による介護施設の送迎業務の運用を効率的に行う福祉サービス「ゴイッショ」を開発したダイハツ工業、自販機ビジネスを抜本的に改革したダイドーグループホールディングス、全社でDX改革に取り組んで成果を上げている住友電気工業の3社。

　金賞の中堅・中小企業部門ではスマート農業支援のパーシテック、インバウンド向け海外発送用の伝票、発送手続きを簡素化した高速オフセット、グループ会社内のデジタル化に寄与したIXホールディングスの3社。

　近畿総合通信局長賞にクラウド型電子カルテ開発のeWeLL(イーウェル)、近畿経済産業局長賞に大幅な業務効率化で顧客満足度向上に努めたゲートジャパンが選ばれた。(本紙は11月5日付情報通信面に掲載)