2024.11.07 ローム、4~9月連結は減収・営業赤字 SiCパワーデバイスなど堅調

 ロームの2025年3月期第2四半期(24年4~9月)連結決算は減収、営業損益は赤字に転落した。売上高は、SiCパワーデバイスなどが増加したものの、産業機器市場の減収が影響し減少。営業損益は売上高の減少、生産調整に伴う稼働率の抑制、SiCパワーデバイスの生産能力増強や8インチ化対応のための固定費の増加で赤字となった。

 LSIは、自動車市場向けで、ADASやボディー向けの高付加価値商品が伸長。民生機器市場向けで、省エネ性能エアコン向けモータードライバーが好調だった。産業機器市場、通信機器市場向けは減少。結果、売上高は前年同期比2.9%減となった。

 半導体素子は、パワーデバイスでSiCデバイスを中心に堅調に推移。産業機器市場向けの売上高はエネルギー市場の鈍化や設備投資抑制の影響を受けて減少。汎用(はんよう)デバイスは、産業機器市場のFA向けの売り上げが減少。結果、売上高は同4.7%減となった。

 モジュールは、プリントヘッドで決済端末向けの売り上げが増加。オプティカル・モジュールはスマートフォン向けでセンサーモジュールの売り上げが増加。結果、売上高は同4.8%増となった。

 通期連結業績予想は前回発表の数値から下方修正。損益は全ての項目が赤字となる。松本功社長は「自動車はバッテリーEVの後ろ倒しの影響が残る。産機市場は生産調整が長期化し来年まで続く見込み。一方、構造改革を進める。固定費を50億円削減。投資額も減額するが、投資の大半がSiC向け。価格適正化なども進めV字回復を目指す」と語った。