2024.11.22 【はんだ総合特集】メイショウ 自動リワーク装置「MS9000XL」 残留はんだ自動除去

大型基板対応リワーク装置「MS9000XL」

 商社兼メーカーのメイショウは、スキルレス自動リワーク装置の開発に定評がある。

 製造開発や装置納入実績で蓄積した経験を踏まえ、大型基板対応自動リワーク装置「MS9000XL」を開発した。部品の取り外し、部品再搭載などを自動化。新型XYZ駆動系システムにより最新のGPU(画像処理半導体)をはじめ、120ミリメートル角の大型部品でも安定して確実なリワークを実現する。特に残留はんだクリーニングでは画期的な仕組みを導入した。

 残留はんだクリーニングは、リワーク工程で最も手間のかかる作業の一つ。特に大型基板では、手が届きづらい部位に対して手作業は困難。高信頼性を要求される高価な基板では、隣接部品に影響を与えずに作業を完了させるのは作業者の負担が大きい。

 課題解決のために、自動クリーニング機能を搭載した。基板上のクリーニング対象範囲を適切に加熱し、溶けたはんだを吸引ノズルが除去する。吸引ノズルは基板に触れることなく、残留はんだの吸引・除去を行い、ランドパターンの剝離が起こらない。

 さらに、クリーニングノズル先進運転支援システムを搭載。クリーニング対象のエリアと経路を指定すれば、加熱動作開始ポイントからクリーニング対象エリアの終了ポイントまで自動運転で作業を行う。

 吸引したはんだを格納するタンクは形状・材質を研究。詰まることなく、一定の作業時間に耐えられる機構開発に成功した。

 検査装置との連結も進める。検査機メーカーなどと共同開発を進め、NG部品の位置データや画像をリワーク装置に転送し、自動判別運転のリワーク作業実現を図る。リワーク後のデータを検査装置にフィードバックすることで情報を一元管理し、製品出荷後の品質を担保する仕組みを構築する。