2025.01.08 【製造技術総合特集】主要各社の25年戦略 シンフォニアテクノロジー

中島 部長

パーツフィーダー生産拡大に軸足

 シンフォニアテクノロジーの振動機事業では、独自の振動技術を応用した振動コンベヤー、振動乾燥・冷却装置、小型振動機器、電磁フィーダーなどの製品を、エレクトロニクスをはじめ機械、医薬、食品、化学など幅広い製造業に向けてグローバルに提供している。電子部品を中心とするエレクトロニクス産業向けの主力製品にはパーツフィーダーがある。

 電機システム本部の中島慎二振動機営業部長は「2024年は引き続き電子部品業界などの設備投資の抑制、中国経済の低迷などの影響を受け、パーツフィーダーの需要は全般的には厳しい状況が続いている。25年も前半は、電子部品に関しては低調なのではないか。その中で医療業界は点滴・注射機器に関しては堅調に推移している」と話す。

 電子部品用のパーツフィーダーは、生産能力の拡大に軸足を置く。高周波化することで、生産能力を2割程度アップできる製品をそろえた。また、従来製品では専用のコントローラーを必要としていたが、通信機器を用いて設備側からコントロールできるシステムを提案する。

 新規の設備投資の動きが鈍い中、パーツフィーダーを置き換えるだけで生産設備の能力を上げる提案にも力を入れる。新たに設備一式を交換する必要はなく、低コストで導入できる。労働人口が減少しているが、作業の属人化で引き起こされるトラブルなどを簡単な操作性により未然に防ぐなど、顧客企業の困り事に対応する。

 25年は引き続き電子部品と半導体製品に注力するとともに、種苗業界という新規分野にチャレンジするため準備を進めている。

 中島営業部長は「農業というこれまで当社が扱ってこなかった分野ではあるが、独自の分別技術や特殊カメラを応用することで、種苗メーカーや農家の困り事を解決できるとみる」と説明する。

 種苗法により、一定の基準を満たさない種は廃棄され、「シードロス」として問題となっている。電子部品を分別して並べる技術を農業用の種に応用し、省力化によって人件費を抑えることで種の価格安定にも貢献する。世界にない技術として25年後半には発表していく考えだ。