2025.01.08 【製造技術総合特集】主要各社の25年戦略 キムラ電機
藤岡 社長
省配線端子台など4製品を拡販
キムラ電機は、表示灯、端子台の専業メーカーとして、標準品に加え、顧客のニーズに合わせたカスタム製品の開発に力を入れ、電力関連や通信関連、鉄道関連、社会インフラ関連など幅広い分野に製品を供給している。2025年が創業98周年となる。
藤岡利之社長は、24年度(25年2月期)の事業動向について「24年も在庫調整長期化の影響を受けた。最近になり、やや受注が復活してきているが、24年度通期の売上高は前期比5%減前後になる見込みだ。受注は約10%増を見込んでいるが、コロナ前の水準には戻っていない。材料価格が値上がりしているため、当社も価格改定を実施させていただいているが、本格的にその効果が表れるのは25年春以降になる見込み」と説明する。
25年は、従来製品とともに、昨年来の四つの重点製品である①省配線ターミナル(省配線端子台)「WS-TD16MC形」「WS-TD32 MA/MB形」②海外規格を取得しているヒューズ台・ヒューズキャリア「F-10Dシリーズ」③耐環境端子台④ネジ無し端子台(プッシュインスプリング式端子台)のPR活動・拡販に注力する。
情報発信力を強化するため、メルマガや、デジタル技術を活用したプロモーション活動にも取り組んでおり、こうした活動を25年も継続していく。
25年の展望について藤岡社長は「25年は、インフラ系分野などの引き合いもいただいている。海外プロジェクトの案件もある。あとは、一般市場がどこまで回復するかが鍵となる」と語る。25年度は前期比で15%以上の増収計画を立てる方針だ。
同社は、2年前に新たなパーパス「お客様にご満足をいただきながら成長し続ける会社」を発表した。同社の経営理念は「優親速簾」。この理念の下、「優れた製品を、キムデンブランドに親しみを感じていただきつつ、スピーディーに、お求めやすい価格で提供する」ことをポリシーとしており、「今後もこの経営理念を具現化していく」(藤岡社長)。