2025.01.08 【製造技術総合特集】主要各社の25年戦略 カナデン

本橋 社長

事業部横断営業に手ごたえ

 カナデンは工場自動化(FA)システム、ビル設備、インフラ、情通・デバイスの4事業を柱とするエレクトロニクス商社。国内拠点のほか香港、シンガポール、上海、タイ、ベトナム、インドの現地法人が日系企業向け中心に事業展開する。

 本橋伸幸社長はFAについて、前年の在庫調整を振り返りつつ「まだら模様ながら回復している部分がある」とし、2025年は在庫正常化と需要回復を期待する。

 営業体制は全社の技術ハブである「ソリューション技術本部」内で22年度に設置した「ソリューション営業部」を23年度から独立組織に改編。4事業横断の新規案件獲得やクロスセルで成果を上げる。

 三菱電機製品を中心にしたFA関連の顧客が7割を占め、24年4~9月の受注で5億円の売り上げがあった。各事業の営業部門やインサイドセ-ルスとの連携が進み、24年度は社内計画の達成を見込んでいる。

 商材では三菱電機製の金属3Dプリンターに注目。樹脂でなく金属を成型できる製品が充実したことで、大手最終顧客ではこれまで金型を使っていた工程に代えて採用を検討する動きも出ている。

 海外ではASEANに注力。タイではカナデンタイ、カナデンソリューションズ(タイ)、カナデントレーディング(タイ)の3社体制をとる。注力分野の自動車関連が厳しい中、FAのソリューションは成果を出している。

 ベトナムでもカナデンベトナムがFAのソリューションを展開。「立ち上がりが厳しかったが土台はできてきた」(本橋社長)。タイの事業をベースに成果を上げていく。

 インドでは1月に現地法人カナデンソリューションズ(インド)を設立予定。モノのインターネット(IoT)、自動化などソリューション関連のシステム販売、FA、電子デバイス、ソフトウエア販売を手掛ける。現地の日系企業が求める日本と同等の品質に応えるべく、日本の資本や技術が入ったSIerと協力する。こちらもタイで蓄積したノウハウを生かす。