2025.01.15 【LED/次世代照明特集】東芝ライテック 西原隆史取締役社長

西原 社長

無線照明制御システム商品群増を計画

 2024年は、照明市場全般では芳しい状況とは言えなかったが、当社は主力のTENQOO(テンクウ)シリーズなどLEDベースライトが中心となって売り上げをけん引し、数量を確保できた。前年度から伸長し、結果を残せた一年だった。コロナ禍で部品不足になった経験を生かし、生産性を改善したり、内製化を一部で進めたりしてきたことが実を結び、計画通りの生産・販売につなげられている。

 トランプ氏の米国大統領就任による米中間の経済摩擦は未知数だが、サプライチェーンの問題は全くないと考えている。

 23年12月に発売を始めた無線照明制御システム「LinkLED Air(リンクレッド エアー)」には多くの引き合いをいただいた。さらに伸ばしていきたいが、まだサービスラインアップが少ないことが課題となった一年だった。今後、商品群を増やしていくことを計画している。

 カメラ付きLED照明「ViewLED(ビューレッド)」の提案も注力する。設置した工場内の安全性の確保など、明かりだけはない高付加価値を訴求する。照明は切れないと買い替えていただけない商品だが、切れていなくても買い替えたいと思っていただける商品として拡充していきたい。

 27年末で蛍光ランプの製造・輸出入が禁止になることを受けて、リニューアル需要が加速することに期待する。施工の増加が予想されるが、労働人口の減少や働き改革による労働力不足が課題となる中、省施工に対応したラインアップを強化する。また包装材を工夫し、リサイクルを進めて環境に配慮した商品設計を行っていきたい。まだ改善の余地はあると考えている。

 このほか、景観照明にも力を入れていく。フルカラーのLEDの組み合わせで調色させ、季節や時間帯で色を変えられる。これまでにスタジアムや工場、水族館といった施設のライトアップを担当するなど、事例が増えてきた。昨年は専用のホームページを立ち上げた。提案の強化を図っていく。

 先日、「東芝ライテックらしさを追求しよう」と社員に伝えた。前身の東京芝浦電気が1939年に日本初の蛍光ランプの試作に成功するなど、東芝は「日本初」「世界初」「日本最高効率」といったキーワードが付くものづくりを行ってきた。原点回帰をしつつ、チャレンジを続けていく一年にしたい。