2025.01.15 【LED/次世代照明特集】NVCライティングジャパン 森恒章取締役社長

森恒 社長

環境に配慮、豊かな暮らしに貢献

 2024年は、パリ五輪での日本人選手の活躍など多くの感動的な瞬間が生まれる明るい話題があり、テクノロジーの分野では、AI(人工知能)や再生可能エネルギーの進展が目覚ましく、持続可能な未来に向けた大きな一歩となった。一方で、ガザ地区侵攻など世界情勢が混沌(こんとん)とする中、電気代の高騰を受け、多くの企業や家庭で電気代に対する意識が変わってきた。

 オフィスや住宅でも、蛍光灯からLEDに付け替えることが主流となっているが、まだ蛍光灯を使用している企業や住宅が多いのが実情だ。その背景には「LEDは(価格が)高い、導入が面倒、メリットを感じない」などが挙げられる。

 しかし、今ではLED導入費より電力コストが上回ってきており、削減できるコストを余分に払い続けているという現状がある。併せて、27年に蛍光ランプの製造・輸出入の廃止が決定。蛍光ランプ交換からLED照明器具への交換需要が高まることが想定される。

 当社としては、地球環境に悪影響を与えない、またはその影響を最小限に抑えることを目指した商品で多様化したお客さまの要求に対応できる提案をしていく年と考えている。

 居室用のLEDシーリングライトは、6畳から20畳まで幅広くラインアップをそろえ、調光・調色で、暮らしをより快適かつ豊かに過ごせる商品群を拡充させてきた。6畳用で直径320ミリメートル・高さ57ミリメートルの小型シーリングライトを発売し、小型ながらも明るさ3200ルーメン、調光・調色を実現した。

 LED電球に関しては、演色性を向上させた高付加価値ゾーンのフィラメントタイプのLED電球シリーズ「COCOLA(ココラ)」をラインアップした。ろうそくの明かりに近い2200Kの色合いを出せることが特長。平均演色評価数はRa93で、より自然光に近い光を再現した。また、省エネを考慮した人感センサー電球を販売し好評をいただいている。

 今後は、環境に配慮しつつも豊かな暮らしに貢献できるような商品開発に力を注いでいきたい。さらなる省エネが図れるラインアップの拡充、物流・保管効率や持ち帰りの負担減を考慮した小型化推進、蛍光ランプからの買い替え需要を促進できる機能商品の拡充で、LED化推進に貢献できる提案を進めていく。