2025.01.16 【計測器総合特集】エヌエフ回路設計ブロック 今田悟社長
今田 社長
NF千代田エレ連携で環境に貢献
エヌエフグループは、計測制御デバイス、電源パワー制御、環境エネルギーに校正・修理事業を加えた4事業で、新しい価値を創造し顧客に提供している。グループの中核を担うエヌエフ回路設計ブロックの2025年3月期第2四半期(4~9月)は売り上げ、受注とも前年同期を上回った。
今田悟社長は「24年春から受注が回復し、計測機器とカスタム応用機器が大きく伸びた。汎用(はんよう)計測器の新製品が好調で既存製品との切り替えがうまく進んだ。雑音に埋もれた微小信号を検出するロックインアンプも好調だった」と振り返る。
分析器や検出器などへの組み込みニーズには、ロックインアンプモジュールで対応している。また、AE(アコースティックエミッション)アナライザーも好調で、生産設備への組み込みにより予防保全、故障予知への貢献を図る考えだ。
グループ内の連携により環境エネルギーへの貢献を強めている。
グループ会社のNF千代田エレクトロニクス(NF千代田エレ)は、次世代クリーンエネルギーとして期待される水素の発生装置用電源に注力。水素と太陽光発電や蓄電池などを組み合わせたシステムでは、同社のインバーターや各種電源装置の引き合いが増えている。グリーン水素製造に不可欠な水電解セルの評価向け計測システムに対するニーズも高まっている。
今田社長は「両社の製品・技術を組み合わせて一つの大きなシステムとして提案できる。双方の強みが生かせている」と話す。
両社は以前から、共同の営業プラットフォームを構築し、商談状況をはじめ情報交換を図ってきた。水素関連の多様な案件獲得のため、24年度からNF千代田エレに共同営業センターを設置している。
新規市場では、国産量子コンピューターの入札案件を低雑音信号処理ソリューションで獲得。今後も技術力を向上させ、市場拡大を推し進める。
今田社長は今後の経営方針について「足元の事業で強みを出すとともに、エヌエフグループの力で脱炭素社会への貢献を図りたい」との考えを示した。