2025.01.16 【計測器総合特集】東レエンジニアリングDソリューションズ 福井以知郎社長

福井 社長

CAE向け次世代ソフト投入へ

 東レエンジニアリングDソリューションズ(TRENGD)は2020年4月、東レエンジニアリング(TRENG)の計測機器事業とソフトウエア事業が統合して発足した。

 福井以知郎社長は昨年6月末、トップに就任した。TRENGでプラント建設業務の電気計装の設計に従事し、品質保証業務も経験してきた。「TRENGDでは〝よそ者〟の目で見て課題を見つけ、体質改善を行いたい。組織力のさらなる向上を図る」と抱負を語る。

 計測機器事業では、デバイス内部のボイドや微小な欠陥を非破壊で検知する超音波センサーが引き続き好調に推移している。ウエハーの熱処理を行う際に装置内の酸素濃度管理などで活用される酸素濃度計も回復基調を示す。

 水質計は昨年12月、計測性能と保守性を向上させた新モデルをリリースした。環境意識が高まる中、更新需要を含めて工場排水などでの需要を見込む。

 CAE(コンピューター支援エンジニアリング)では、成形後の収縮やそり変形の発生を予測する樹脂流動解析ソフト「3D TIMON(タイモン)シリーズ」があり、自動車関連を中心に提供している。

 コロナ禍で中止していた「3D TIMON お客様交流会」を昨年10月に東京・品川で、同11月に名古屋で開いた。ユーザーによる活用事例の紹介、次世代ソフトの開発状況の報告が行われ、盛況だった。

 次世代ソフトのブランド名は「XTIMON(クロスタイモン)」で、8月のリリースを予定する。

 また、生産管理システム「TONOPS(トノプス)」は、製品出荷などのDX(デジタルトランスフォーメーション)化をにらみ、提案活動を強化する方針だ。

 同社の各製品群はそれぞれ高いシェアを持つ。今後の方向性について、福井社長は「製品群としては狭い世界かもしれないが、各分野でトップランナーを目指している。現状を打破して何ができるかが最大のテーマになる。ユーザーサイドにとってのメリットをもっと考えていく必要がある」と述べ、25年に臨む。