2025.01.22 【ネプコンジャパン/オートモーティブワールド特集】最新技術でSMTが進化
スマートファクトリーに貢献
半導体製造プロセスと融合進む
日本のモノづくりは、少子高齢化による労働人口減少や、熟練技術者からの技能承継などの課題を抱えている。これら課題の解決に向けて省人化や自動化が進む中、半導体製品の小型化を受けて、装置に求められる機能の高度化が進展。カーボンニュートラルへの対応も重要だ。
そのような中で、IoT技術を駆使して生産性を大幅に向上させる「スマートファクトリー」への関心は年々強まっている。大手企業が先導する形で進んできた工場のスマート化は、中規模・小規模工場でも導入の機運が高まった。
高品質なモノづくりを目指し、SMT(表面実装技術)は進化を続けている。実装機関連各社は他企業との連携を広げつつ、スマートファクトリーを推進。人手を介さずに装置自体の自己完結で高品質生産の実現を目指している。
別のプロセスだった実装部品の保管・供給や、実装後の手作業による大型部品などの搭載までSMTラインに組み入れ、トータルで自動化する動きも一般的になりつつある。
ネットワークに接続された装置同士が直接的に通信を行い、データの送受信や機器の自動制御などを行うM2M(Machine to Machine)技術をはじめ、情報を収集するフィールドバスなどのネットワーク技術、測定値のさまざまな解析まで行うセンサー技術など、幅広い技術がSMTをスマート化させている。
半導体製造プロセスとSMTの融合も進んでいる。実装機各社は新たな領域と位置付けて本格的な事業化を推進。背景には半導体メーカーのボンディング・パッケージング技術の開発と多様化、多様なプロセスで製造された半導体デバイスと電子部品の混載など、加速する実装プロセスの進化がある。
半導体後工程では、メモリーやマイコンなど複数のチップをパッケージ内で3次元(3D)方向に積層して実装する3D実装や、異なるプロセスノードを使用してチップを製造・集積化するチップレット技術など、パッケージング技術による高集積化が進む。
3D実装では基板との接続に貫通電極(TSV)とバンプ(はんだボール)を用いるフリップ実装が増え、複数のベアチップや受動部品などを複数搭載して一つのICとしてパッケージングするMCM(マルチチップモジュール)も増加。ボンディングなどの製造プロセスにはSMTが応用されるケースが増えてきた。
プリント基板検査装置には、はんだ印刷検査装置(SPI)や外観検査装置(AOI)、X線検査装置(AXI)がある。
実装工程の基板検査は従来、目視検査が多かったが、熟練が必要だった。しかし、プリント基板の配線が高密度化されて目視検査が難しくなり、検査装置はSMT工程に不可欠な装置として需要が高まった。
基板検査は従来、プリント基板の平面(2次元)に光を照射して画像処理する「2次元(2D)方式」で実施されていた。最近は平面検査に高さも加え、より精密に検査する「3D方式」が主流になっている。