2025.02.06 ソシオネクストがインド拠点の人員を強化
ソシオネクストのベンガルール拠点
ソシオネクストはインド拠点での人員強化を打ち出す。設計開発の実務は数多くある地元企業に委託するが、米山優副社長(財務・管理担当)は「委託先をコントロールできる技術力のあるエンジニアを当社が採用しなくてはいけない」とし、「いつ増やすではなく今増やしている」と述べた。
同社は2023年に南部のハイテク産業集積地、ベンガルール市に拠点を開設。24年に同国の政府研究機関である先進コンピューティング開発センター(C-DAC)やファブレス半導体企業モスチップ・テクノロジーズと提携。5ナノメートルプロセスによる独自の高性能計算(HPC)プロセッサーの設計、開発に参加すると発表した。25年1月に開いた24年4~12月期の決算説明会でも同案件を引き合いに「これを皮切りに次の商談を獲得したい」(米山副社長)と方針を示した。
ベンガルール拠点は米国法人傘下。米山副社長は「米国にいる当社インド人脈が有効に使えるため」と説明し、今後の米国法人からの独立については「インド事業が広がった時点で商流がどうなるかで判断する」とした。
■高品質の維持
米中関係が厳しさを増す中、半導体産業ではインド市場への期待が高まるが、進出するエレクトロニクス商社などは「日本とまったく異なる商習慣」をリスクに挙げる。日本からの人員で現地拠点を大幅増強するより委託先や提携先との協力で成果を上げたいとの声も多いものの、日系の強みとなる高い製品品質のためには日本の人員による管理も欠かせないとする。