2025.04.09 高級炊飯器、米価高騰のなか健闘 「おいしいご飯」にニーズ
コメ不足、米価高騰の中、おいしく炊き上がる高級炊飯器への関心が高まっている
炊飯器は、春のシングル商戦では普及ゾーンのマイコンタイプの動きが活発となるが、お米をよりおいしく炊き上げる高級タイプも堅調に推移している。諸物価が上がり、とりわけ米価高騰が続く中でも、おいしい炊き上がりのニーズは根強い。
炊飯器は、コロナ禍に見舞われた2020年度に一時的なピークを迎えて以降、出荷台数は減少傾向にあるものの、フラッグシップモデルを中心に各社は高級炊飯器への手応えを感じている。日本電機工業会(JEMA)によると、24年4月~25年2月の炊飯器出荷台数は前年同期比99.8%と微減だが、金額ベースでは同104%と伸長し単価は上がっている。
市場では政府が備蓄米を放出するなど対策に走るものの、米の高騰が続く。農林水産省の調査によると、全国のスーパー約1000店舗での平均販売価格は、昨年同期の2倍超となる4206円(5キログラム/3月24~30日)となっている。
このため、炊飯器の販売にも何らかの影響が懸念されるところだが、現状では高級炊飯器の動きにマイナス面は見られないようだ。むしろ、高騰が続くからこそ、よりおいしく米を炊き上げたいと考えるユーザーが確実に存在する。
象印マホービンの市川典男社長は... (つづく)