2025.04.10 KDDI・松田新社長「AIの融合で5Gは進化する」 つくば万博が原点

記者会見するKDDIの松田新社長=10日、東京都千代田区

 KDDIの新社長CEO(最高経営責任者)に就任した松田浩路氏が10日、東京都千代田区のホテルで就任会見に臨んだ。松田新社長は「KDDIが目指す『つなぐ力』とは、単なる通信技術ではなく、人々の命や暮らし、心をつなぎ、新たな価値を生み出す力だ」と力を込めた。

 松田氏は山口県出身の53歳。中学生時代に訪れた1985年の「つくば科学万博」で最先端技術に触れた経験が自身の原点だとし、「新しいテクノロジーこそが未来をつくる」という志が通信業界への道を選ぶきっかけになったと振り返った。京都大学で電気工学を学び、KDDIの前身である国際電信電話に入社。以来30年以上にわたり通信技術に携わってきた。

 KDDIが重視する「つなぐ力」を推進する鍵としてAI(人工知能)を挙げ、「通信とAIの融合によって高速通信規格5Gはさらに進化する」と意気込みを示す。2025年度中の本格稼働を目指し、大阪府堺市に建設を進めるアジア最大級のAIデータセンターでは最新GPU(画像処理半導体)を活用してグーグルとの提携を強化する方針を示した。

 社長就任の抱負として「夢中になることこそが新たな挑戦と進化の原動力。全社員が夢中になれる環境をつくりたい」と述べ、目指すべき会社像として「夢中で挑戦できる会社」を掲げた。実現に向け、「未来をつくる仲間とつながる」「つなぐ力を世界に広める」「お客さまの今とこれからにつながる」の三つの挑戦に取り組む。

 通信自由化から今年で40年、KDDI発足25周年という節目を迎える同社。松田新社長は「通信技術のさらなる進化によって社会課題解決に貢献し続けたい」と決意を新たにした。