2025.04.17 NTT、光ネットワーク自動最適化技術公開 毎秒1テラビット級、IOWN APNで自動設定実現

「OFC2025」に出展

 NTTとNTTコミュニケーションズは、光通信技術の国際展示会「OFC2025」(1~3日、米サンフランシスコ)で、世界初の光ネットワーク自動最適化技術を公開した。NTTグループが開発を進める次世代光通信基盤「IOWN(アイオン)」の中核技術であるオールフォトニクス・ネットワーク(APN)を活用し、毎秒1テラビット級の光回線を自動設定するシステムを実現した。

 会場では、NTTブースとオープンROADM MSAブースを毎秒1.2テラビットの光回線で接続。富士通やシエナコミュニケーションズなど15社のオープン仕様の装置を組み合わせた実証ネットワーク上に、光デジタルツイン技術を駆使した自動設定プロセスを組み上げ、遠隔データセンター拠点間の高速光波長回線の提供を実演した。

光デジタルツイン

 軸となる光デジタルツインは、実ネットワークを仮想空間上に再現する技術。オープン仕様の装置を接続した場合、複数社の通信装置でAPNを構成できる一方、光波長回線の提供時に最適な光伝搬パワーレベルを把握して回線の設定をすることは難しかった。

 今回は光伝送路可視化技術で、通信装置の光信号を利用した計測データを解析し、光伝搬パワーレベルを回線の伝搬経路に沿って正確に推定。この情報を用い、デジタル空間に光ネットワークを再現して光波長回線の性能を最大化させる光伝搬パワーレベルの最適化を行い、通信装置に設定する。

 NTT未来ねっと研究所フロンティアコミュニケーション研究部の曽根由明グループリーダは「デジタルツインを用いることで、今までの高度な専門知...  (つづく)