2025.04.22 富士フイルムHD、調達領域でのCO₂削減本格化 サプライヤーと課題共有

岩間氏(左)と広瀬氏

 富士フイルムホールディングス(HD)は、自社の製品ライフサイクル全体のCO₂排出量の約8割を占める調達(スコープ3カテゴリー1)領域での削減に向け、サプライヤーと課題を共有した削減施策を本格化した。一方的にCO₂排出量の削減を要求するのではなく、調達先となるサプライヤー企業と課題を共有し、削減施策を立案して実行していることが特長で成果も出始めた。

 同社は脱炭素社会の実現に向け、CSR計画「サステナブルバリュープラン2030」において、自社の製品ライフサイクル全体における2030年度までのCO₂排出量を19年度比50%削減する目標を設定している。今回の取り組みはその一環で、自社だけでは実現できない領域へのチャレンジの一歩でもある。

 サプライチェーン排出量は、事業者自らの温室効果ガスの直接排出が「スコープ1」、他社から供給された電気などの使用による間接排出が「スコープ2」、事業者の活動に関連する他社からの間接排出が「スコープ3」に位置付けられている。

 同社は既にスコープ1とスコープ2の領域では製造工程などにおける省エネ化や再生可能エネルギーの活用を推進してきた。しかし、スコープ3では原材料などの調達領域(カテゴリー1)でサプライヤーとの連携が不可欠なため、削減に向けた大きな課題になっていた。

  (つづく)